2017 Fiscal Year Research-status Report
金融市場における取引時間間隔の時系列分析-ベイズ統計学と行動経済学の応用-
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15K03535
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
砂田 洋志 山形大学, 人文社会科学部, 教授 (90282194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 明宏 山形大学, 人文社会科学部, 准教授 (30312721)
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Project Period (FY) |
2015-10-21 – 2019-03-31
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Keywords | SCDモデル / ノンパラメトリック回帰 / シミュレーションスムーザ / 行動バイアス / 金融教育 / 寄付行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は金融商品市場における取引間隔(デュレーション)を時系列モデルの立場からモデル化したSCDモデルやACDモデルのプログラムを完成させ、日本の金先物市場のティックデータに応用した。この結果を研究成果の一部として山形大学紀要において報告した。これらの推定にはノンパラメトリック回帰、シミュレーション・スムーザやブロックサンプリングといった方法を利用している。取引時間間隔を分析する上での基本的な分析の形が完成したので、現在構想中のより複雑なモデルを平成30年度に完成して、推定する。同時に、より複雑なモデルを推定する際に利用する推定方法にも取り組んでいるので、そのプログラムを完成させて新しいモデルの推定に活用する予定である。 研究分担者は、日本銀行が公開しているアンケートデータである「金融リテラシー調査」を利用して、金融教育と行動バイアスが金融トラブルに巻き込まれる可能性に与える影響を分析した。同調査は2016年に18~79歳の25,000人に対してインターネット上で実施された調査である。研究分担者は、学歴、学校・勤務先や家庭での金融教育、行動バイアス(横並びバイアス、近視眼バイアス、損失回避バイアス、自信過剰バイアス)が金融商品の理解度、投資行動および金融トラブルへの巻き込まれ易さに対する影響を分析した。行動バイアスと投資行動や金融教育の関係を分析した例はほとんどないので、貴重な研究と言える。分析結果は山形大学紀要に投稿中である。この研究に加えて、寄付行動における男女差を分析した研究も進めている。この研究は再投稿に向けて手直しを進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者が平成28年度は学科長として学部の組織改編に極めて多くの時間をとられてしまい、研究を進めることが出来なかった。平成29年度は研究に多くの時間をかけることができたものの、ノンパラメトリック回帰の理解やSCDモデルのプログラミングに予想以上の時間がかかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者は、現在、SCDモデルよりもさらに複雑なモデルの構築に取り組んでいる。この複雑なモデルを推定する際に利用する推定方法についても取り組んでいるので、プログラムを作成した上で新しいモデルを推定する予定である。 研究分担者は金融リテラシー調査についてはさらに詳細な分析を行なう予定である。寄付行動における男女差を分析した研究についても、さらに詳細な分析をして再投稿する予定である。
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Causes of Carryover |
研究代表者が平成28年度に学科長となり、学部の組織改編に携わることになった。その結果、研究が当初の予定よりも1年間遅れてしまった。したがって、平成29度に実施する予定の報告(出張)が出来ず、平成30年度に実施する予定となったからである。
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Research Products
(3 results)