2015 Fiscal Year Research-status Report
外国為替市場の効率性とマイクロストラクチャー・アプローチ
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15K03558
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
北村 能寛 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (90409566)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 為替レート / 情報効率性 / 高頻度データー |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年度は、本研究課題に関連する複数の研究論文を執筆することが出来た。そのうち、2本は査読付国際専門誌に受理、掲載がなされた。掲載された最初の論文では、外国為替市場の情報効率性を為替介入政策との関係で分析を行った。その主な結果としては、為替介入はその介入報方向と逆のオーダー・フロー(介入が円売りであれば円買い)の情報を打ち消すことが高頻度データーを用いた分析で明らかとなった。 2番目の論文では情報トレーダーの取引を特定する指標の提案をおこなった。その指標とは、オーダーフローの為替レートに対するインパクトならびに、そのインパクトの持続性に注目したものである。一般的な経済理論によれば、情報トレーダーによるオーダー・フローであれば、為替レートに有意な影響を及ぼし、その影響は持続的である。そこで、インパクトが大きく、更には為替変化の反転を次期に生じさせないオーダー・フローをレジーム・変化モデルで特定した。その結果、そのオーダー・フローは為替レートに関連する情報として有意な説明力を持つことが判明した。本論文で提案した指標と為替市場の効率性の関連に対する分析を、今後行う予定である。 また、外国為替市場の情報効率性を計測する指標に関する論文は、現在執筆を終えて、国際専門誌に投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2015年度内には、本研究課題に関連する複数の論文を執筆することができた。その一部は、査読付国際専門誌に掲載された。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、本研究課題に関連する論文を執筆していく。現在投稿中にある論文に関しても、雑誌編集者からの改訂要請に対して、適切に対応する。
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Causes of Carryover |
高頻度データー購入時期を考慮したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
高頻度データーの購入
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Research Products
(5 results)