2017 Fiscal Year Annual Research Report
Microstructure approach to the efficiency in the FX market
Project/Area Number |
15K03558
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
北村 能寛 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (90409566)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | マイクロストラクチャー / VPIN / オーダー・フロー / 瞬時的価格変化事前予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究最終年度である2017年には、為替市場のマイクロツトラクチャーに関する論文を査読付国際専門誌に掲載することができた。その内容を要約すれば、以下となる。 情報トレーダーの取引を計測する指標として、volume-synchronized probability of informed trading (VPIN)の瞬時的価格崩壊予測力に注目して研究を進めた。VPINとは、データー間隔を一定の取引回数で区切り、その区間での価格変化を反映したウエイトで取引回数を売り、買いそれぞれの圧力に分けるものである。例えば、円ドル・為替レートが5%円安となり、その変化率は経験分布の上位10%に位置するとする。このとき、取引回数に0.9(1-.0.1)を乗じたものが円売り圧力、それに0.1を乗じたものが円買い圧力として計算される。 これに対し、従来の研究では、情報トレーダーはその執行確率の高さから成り行き注文を選択することを前提とし、その取引をオーダーフローで代理する。しかしながら、従来の成行注文に基づき執行される取引では、指値注文を行う情報トレーダーの取引が考慮されない。その一方で、VPINは、指値注文のみならず成り行き注文をも考慮した情報トレーダーの取引代理変数となりうる。 そこで、オーダーフロー、VPINいずれが、為替市場の瞬時的価格崩壊を予測できるかに注目し、実証研究を行った。情報トレーダーの取引が断続的であれば、非情報トレーダーは「負け」が蓄積することになり、その結果ロスカット目的で「投げ売り」を行う。その取引は瞬時的価格崩壊をもたらす。 実証分析結果は、VPINは瞬時的価格崩壊を予測できる可能性を示唆する。一方で、オーダーフローの瞬時的価格崩壊予測力を支持する結果は得られなかった。この結果は、情報トレーダーの代理変数としてVPINを採用することの根拠となりうる。
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Research Products
(4 results)