2016 Fiscal Year Research-status Report
家族企業の動学的発展過程:日本の長期データを用いた実証分析
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15K03563
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
沈 政郁 京都産業大学, 経済学部, 准教授 (70706499)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | Data Construction / Literature Review / CEO Succession / Financial Constraint / Family Constraint / Dynamic Capabilities / Resource Dependence |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は,研究の2年目であった。まず,平成27年度に終える事ができなかったデータの整理及びデータのクリーニングを実施した。無事にこのプロセスを終える事ができたので,データの購入から始まった実証研究における最重要の段階を終える事ができた。 次に,構築したデータを用いて本格的な分析を始めた。この段階で海外の研究協力者と緊密に連絡を取りながら研究を進めた。平成28年度の最後の段階で,大枠での結果は得る事ができた。結果としては,当初の研究目的として設定した,家族企業の動学的発展過程を概観できるものとなっている。 得られた結果を,要約すると,家族企業は当然,家族の中で企業をコントロールしたいという目標があり,可能であればそれを維持したいが,企業の成長に伴う外部資金調達という制約と優秀な家族のメンバーがどれぐらいいるのかという家族内部の要因が制約になり,その制約が弱い場合は家族で企業をコントロールすることが可能になるが,それらの制約が強いと家族で企業をコントロールすることができなくなるというものであった。もちろん,これは得られた結果の概略であり,実際の論文ではもっと詳細に論じる予定である。 当初の目標通りのスピードで無事に研究を進めることができた。これをベースにして平成29年度は,学術の論文として遜色のないレベルまで結果を精査して文章化し,それを海外のトップジャーナルに採択されるように最後の仕上げを行いたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り,平成28年度には,データの構築を完成させ,メインな結果を得る事ができた。実証研究においてここまで来れれば,70%は完成した事になる。後は,今までの成果をまとめて論文化し,それを発表しながらさらに精緻化する事が残された部分である。平成29年度にこの残された課題を進めていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
4月に入ってから早速海外の研究協力者と得られた結果の吟味を行っている。7月までに論文の形に仕上げて幾つかの学会や海外の大学でのWorkshopなどで発表を行い今年の年末までには論文を仕上げてジャーナルに投稿する予定である。 このスケジュールに合わせて,まずは7月21日から24日にかけて,シンガポールのNanyang Technological Universityで開催されるFamily BusinessのWorkshopに参加し,研究協力者であるNational University of SingaporeのYupana先生と論文の最後の打ち合わせを行う予定である。
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Research Products
(3 results)