2017 Fiscal Year Research-status Report
中国近代企業の発展への社会主義経済制度の影響に関する事例比較研究
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15K03570
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
加島 潤 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 准教授 (50463899)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 経済史 / 中国史 / 近現代史 / 企業 / 社会主義 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画の第3年度にあたる本年度は、昨年度に引き続き企業関係資料の収集とその分析を実施するとともに、部分的にこれまでの研究成果の公開を行い、また最終的な成果発表に向けての具体的な準備を進めた。 まず、資料収集について、刊行史料(栄家企業史料、民国時期社会調査叢編等)の購入を進めたほか、平成29年8月に中国・上海の上海市档案館において現地一次史料調査を行った。また、ワークショップ「現代中国の経済発展」(大阪産業大学、9月9日)および中国経済経営学会分科会5「毛沢東時代の中国の経済制度と政策:現時点からの評価」(桃山学院大学、11月12日)に参加し専門の研究者と議論することで、本研究の視角の重要性を再確認した。 研究成果の公開については、International Conference“China Post-1949: National Strategy and Local Experience”(上海社会科学院歴史研究所、10月9-10日)において、本研究の成果の一部を報告した。また、平成30年1月には、本研究の成果を含む単著『社会主義体制下の上海経済――計画経済と公有化のインパクト』(東京大学出版会)を刊行した。 本研究の最終的な成果発表に向けて重要であったのは、第18回World Economic History Congress(MIT, Boston, USA, 平成30年7-8月開催)でのパネルセッション“Institutional Change and Chinese Enterprises across the 1949 and 1978 Divides”を組織者として申請し、採択されたことである。これにより最終年度にあたる次年度に本研究の締めくくりとなる成果発表の機会を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度の研究の進捗状況は、おおむね順調であった。とりわけ、当初より予定していた中国上海での現地一次史料調査を実施することができたこと、またなにより、本研究の最終発表の機会と位置づけてきた第18回World Economic History Congressへのパネルセッション申請が成功したことが大きな収穫であった。昨年度の報告書にも記した通り、このパネルセッション申請の過程では海外の研究者との緊密な連携のもとで企画を練り直すことができ、また新たなメンバーの加入により本研究の視角を広げることが可能となった。加えて、当初は予定していなかった上海社会科学院歴史研究所でのInternational Conference“China Post-1949: National Strategy and Local Experience”において研究報告の機会を得たことで、本研究の最終的な成果発表の事前準備を具体的に進めることができた。これらの点で、平成29年度に達成すべき目標をクリアできたと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終年度に当たる平成30年度は、研究成果の発表に重点を置く。具体的には、第18回World Economic History Congress(平成30年7-8月)でのパネルセッション“Institutional Change and Chinese Enterprises across the 1949 and 1978 Divides”の組織と同セッションでの自身の報告準備に注力し、研究成果の国際的なアピールに努める。 パネルセッション終了後は、報告ペーパーを再吟味し、またセッション参加者と協議しつつ、セッション内容を学術雑誌上に特集として発表、あるいは個別に論文投稿する形で研究内容の公刊作業を進める。加えて、その他に学会、国際会議等で本研究の成果を発表する機会があれば、積極的に利用する。
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Causes of Carryover |
当初予定外であった旅費(国際会議参加)を計上し、それに合わせて物品費等を調整した結果、若干の次年度使用額が生じた。これは次年度の旅費(国際会議参加等)と物品費(資料購入等)に充てる予定である。
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Research Products
(5 results)