2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K03571
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
寺村 泰 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (20197809)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 輸出カルテル / 陶磁器 / 輸出組合 / 市場調整 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、第一に、前回調査で応答のあった輸出組合(後継団体含む)11団体への追加アンケート調査を行った。当初紙媒体、郵送という手段を想定していたが、収集済み資料の整理に予算を取られることが予想されたことと、対象団体数が少ないことから、メールによるヒヤリング調査に切り替えて、節約することとした。アンケートの結果、ほとんどの団体において前回調査に比べて資料の保存状況に変化はなかった。第二に、個別訪問調査についてであるが、日本陶磁器センタービルにおいて陶磁器関連団体調査を2日間行った。今回の成果としては、タイル輸出関係の資料が日本陶磁器産業振興協会(旧輸出組合)および全国タイル業協会にかなり保存されていることが判明した。次年度においてこれら資料群についてデジタルカメラによる撮影等による資料収集を行う予定である。第三に、今年度特に進めたこととして、過去にデジタルカメラ等で収集した資料について紙媒体に起こしてクリアファイルおよび卓上製本機によって整理する作業を行った。この整理作業にかなりの労力と予算を割いた。そのため、論文等の成果を出すところまでは到達できなかったが、基礎的な資料の整理を相当程度進めることが可能となった。次年度においては、引き続き陶磁器関連の輸出組合関係資料の収集に努めるとともに、戦後におけるアジア向け陶磁器輸出カルテルの変遷とその意義に関してまとめる。また、タイル業界に関する資料の収集も進め、その場合の輸出カルテルの有した意義についても考察することとしたい。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
先行して行った資料収集において未整理なものについて整理を行うとともに、新規の資料収集にも着手しており、成果とりまとめに向けて着実に前進している。
|
Strategy for Future Research Activity |
戦後の東南アジア向け陶磁器輸出カルテルに関して、収集資料に基づいて論文を早い段階でまとめる。引き続き戦後急速に伸びたタイル輸出において輸出カルテルが果たした役割に関して資料収集および成果とりまとめを行い、最終的にはこの10年来取り組んできた輸出入取引法の成立過程と合わせてて単著としてとりまとめて発表する。
|