2015 Fiscal Year Research-status Report
近代日本における在来産業産地の多様性についての分析－陶磁器業を対象として－
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15K03580
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| Research Institution | Kyushu University |
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Principal Investigator |
宮地 英敏 九州大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (90376575)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 陶磁器 / 萩焼 / 常滑焼 / 石炭窯 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
初年度である平成27(2015)年度は、主に資料蒐集を中心に行うと共に、蒐集した資料を元にした分析も手がけ始めている。特に、会津本郷焼、萩焼、三川内焼、壺屋焼、常滑焼などの資料を中心に調査蒐集（現地調査による資料類の複写および図書・資料の購入）を行った。
研究成果としては、以下の報告を行い、また刊行準備中である。
【学会報告】宮地英敏「近代における萩焼の経営戦略」経営史学会西日本部会、於九州産業大学、平成27年6月
【共著出版】坂井編集企画事務所編『炎を操る 1100度、美の誕生』LIXIL出版(広若剛、藤澤良祐、米原勇二、遠藤ケイ、永峰美佳ほかによる共著)のうち、「石炭窯」(55-59頁)を単著で執筆している。(平成28年4月刊行予定)
【単著書評】宮地英敏「書評 大森一宏著『近代日本の地場産業と組織化 輸出陶磁器業の事例を中心として』」『経営史学』掲載号未定、刊行時期未定
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本陶磁器業の多様性を分析する中で、フレームワークについては萩焼の分析を行う際に簡易的な整理を行っている。この簡易整理の際のフレームワークを精緻化すべく、現在は事例を豊富化するための準備を行っているところである。
具体的には、三川内焼(近世期には平戸焼と呼ばれていた)についての事例研究が、平成28年度の前半に完成する目途が付いている。三川内焼は、近世期には伊万里焼などと並ぶ名高い高級磁器であったのにも関わらず、また幕末には真っ先に長崎から西欧へと輸出された珈琲碗を製作したにも関わらず、明治期以降はその衰退が指摘される産地であった。この三川内焼に関する具体的な分析が完成間近である。
三川内焼に続く研究として、現在、会津本郷焼、天草焼、益子焼、薩摩焼、壺屋焼、常滑焼、犬山焼といった多様な陶磁器産地の資料を蒐集している最中である。此のうちのどれだけが具体的な事例分析として完成するかは、平成28年度以降の追加の資料蒐集の状況にはかかっているが、概ね順調に進展していると判断して構わないであろう。
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| Strategy for Future Research Activity |
当初予定通り、平成27年度中に蒐集した資料類を踏まえ、研究報告および論文等を執筆するために不足している資料・データを集めるために調査を行う。
このうち、鹿児島での薩摩焼および民芸に関する資料調査を予定していた分については、平成28年4月の熊本地震によって九州新幹線および九州自動車道の復旧の見込みが立っていない。このために調査時期が平成28年度の夏から後半へと延期されることが想定されるが、現状においては平成28年度中に資料蒐集を終えることは可能であると考えている。
蒐集した資料についてのデータ入力についても、適宜、学生アルバイトを用いながら行っていく予定である。
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| Causes of Carryover |
3月末に予定していた資料調査であるが、調査予定日が先方の休日とバッティングしてしまっており、平成28年度に入ってからに日程を変更したため。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度に入ってからの早い時期に、調査予定先の日程と調整した上で調査に訪れる予定である。
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