The Problems of JNR's Abolished reginal Lines in 1980s to the early 90's.

2017 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 15K03581
• Research Institution: Tohoku Gakuin University
• Principal Investigator: 白鳥 圭志 東北学院大学, 経済学部, 教授 (70337187)
• Project Period (FY): 2015-04-01 – 2018-03-31
• Keywords: 国鉄 / 赤字ローカル線 / バス転換 / 国鉄改革

Outline of Annual Research Achievements

本研究では、①旧国鉄赤字ローカル線のバス転換を巡る経済的利害の状況とその調整、②沿線自治体所蔵史料の確認と保全、の2点を目標としていた。後者については、この3年間を通じて、史料の残存状況の確認と目録化を進めた。その上で、個人情報関係法規・条例などの制約を受けつつ、史料収集を行った。その成果は、「【史料紹介】旧国鉄（ＪＲ)名寄本線、旧国鉄湧網線沿線自治体廃線・バス転換関係史料目録」、「【史料紹介】旧国鉄（ＪＲ)天北線沿線自治体所蔵廃線・バス転換関係資料目録」（『東北学院大学経済学論集』第186号、第187号、2016年3月、2017年3月）という形で公刊した。その上で、沿線自治体など関係機関に配布した。
前者については、自治体による個人情報保護のための内容チェックに相当程度の時間がかかった関係で、史料収集が終わったのが2018年2月上旬にまで遅れてしまった。そのために、具体的な史料に基づく研究には着手できないまま、研究期間が終了してしまった。ただし、上記、目録に執筆した「解題」では、沿線自治体発行の「公報」を用いて、研究史の整理とその問題点の指摘を踏まえて、史料から今後明らかにすることが可能な、もしくは明らかにすべき研究課題を提起した。その際、先行研究で明らかにされた、赤字ローカル線が通学生の交通費負担の軽減や高齢者の通院費負担という一種の社会政策的役割を果たしているという議論を踏まえて、自治体がどのような対応をしたのかという問題が焦点になることを論じた
以上を踏まえて、収集した史料に基づき論文執筆作業にとりかかるのが、今年度以降の課題となる。