2016 Fiscal Year Research-status Report
計画経済下での市場メカニズムの機能と実態:1930年代後期ソ連のコルホーズ市場
Project/Area Number |
15K03582
|
Research Institution | Saitama Gakuen University |
Principal Investigator |
日臺 健雄 埼玉学園大学, 経済経営学部, 准教授 (00633512)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | ソ連 / コルホーズ / 市場 / スターリン / 農民 / 集団化 / コルホーズ市場 / スターリニズム |
Outline of Annual Research Achievements |
研究課題である1930年代ソ連におけるコルホーズ市場の実態を中心に,2016年4月24日に東京大学本郷キャンパスにおいて開催されたソビエト史研究会の例会で,研究発表(「農業集団化:コルホーズ体制下の農民」)をおこなった。また,2017年3月28日に北海道大学スラブ・ユーラシア研究センターにて開催された客員セミナーにおいて,「スターリン期ソ連における市場メカニズムの機能:コルホーズ市場との関連で」 と題する研究発表をおこなった。これらの発表内容をもとに,岩波書店から2017年7月19日に発売予定となっている「ロシア革命とソ連の世紀」シリーズ 第2巻「スターリニズムという文明」の第2章「農業集団化:コルホーズ農民と市場」の執筆を進めた。 一方,ソ連経済史研究の分野で国際的に高名なスティーブン・ウィートクロフト教授(メルボルン大学)によるソビエト史研究会・ロシア史研究会の合同例会(2017年3月18日に東海大学高輪キャンパスで開催)での研究発表”Overall statistical data for Siberia and the Russian Far East for the period from the Revolution to the 1950s"を司会者として組織し,国際的な研究交流をおこなった。 また,2017年6月15日から17日にかけてロシア連邦サンクトペテルブルク市の高等経済大学において開催される第2回World Congress of Comparative Economicsにおいて,"How “Embedded Market Mechanism” Worked? : Prices and Commodities in the Kolkhoz markets of Soviet Planned Economy under the Stalin regime"と題する報告をおこなうべく,同大会のcall for papersに応募し,採択された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2016年度は,岩波書店から2017年7月19日に発売予定となっている「ロシア革命とソ連の世紀」シリーズ 第2巻「スターリニズムという文明」の第2章「農業集団化:コルホーズ農民と市場」の執筆を中心に研究を進めてきており,その過程で2回の研究発表をおこなったが,ロシア現地での史料調査や国際学会での発表をおこなうことができなかったため,「やや遅れている」との評価となった。
|
Strategy for Future Research Activity |
第1に,これまで遂行してきた研究の成果を,国際学会において発表する。具体的には,2017年6月15日から17日にかけてロシア連邦サンクトペテルブルク市の高等経済大学において開催される第2回World Congress of Comparative Economicsにおいて,"How “Embedded Market Mechanism” Worked? : Prices and Commodities in the Kolkhoz markets of Soviet Planned Economy under the Stalin regime"と題する報告をおこなう予定である。 第2に,ロシア史を専門とするロシアの研究者4名を日本に招き,日本のロシア史研究者とともに国際ワークショップを開催し,国際的な研究交流をおこなう。具体的には,慶應義塾大学経済学部の崔在東教授とともに2018年3月上旬に国際ワークショップを組織する予定である。
|
Causes of Carryover |
海外出張,具体的にはロシア現地での史料調査を実施しなかったため,使用額が予定額を下回った。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究期間の最終年度である2017年度末(2018年3月)に,ロシア史を専門とするロシアの研究者4名を招聘して国際ワークショップを慶應義塾大学経済学部の崔在東教授とともに開催する予定であり,その開催費用の一部を支出する予定である。
|
Research Products
(2 results)