2017 Fiscal Year Research-status Report
近代日本における在来的第三次産業の全国展開―営業税データによる数量的実証分析―
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15K03584
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
松本 貴典 成蹊大学, 経済学部, 教授 (10219503)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 在来産業 / 第三次産業 / 営業税 / 近代日本 / 経済発展 / 商業 / サービス業 / 統計 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)各地方税務監督局『税務統計書』について、当該年度も、研究代表者は、研究アシスタントの協力を得て、コンピュータへのデータ入力を積極的に進めた。また、新規に所在が判明した資料が少なからずあったので、研究代表者は、その資料の収集を行ったのち、追加的なデータのコンピュータへの入力も進めた。これらの作業を通じて、データは、明治後期から昭和初期の期間に関して、27業種にわたり、47道府県内の各市・郡・町・村ごとにデータが蓄積されてきた。 (2)このデータ入力作業と並行して、研究代表者は、すでに入力の完成している大蔵省『主税局統計年報書』の営業税データに基づきながら、営業税がカバーする在来的な産業について、その全国展開を検討し、関連データも参照しながら、それを論文化する作業を精力的に行った。 (3)上に記した(1)および(2)によって、研究代表者は、研究業績として、完成論文を1本と、現在鋭意作成中の複数本の論文をまとめた(もしくはまとめつつある)。さらに、この論文の作成過程において、研究代表者自身が主催する研究会において、当該年度中に合計5回の研究報告を行い、論文内容のブラシュアップを図った。なお、完成論文は、後掲の「雑誌論文」に記したごとく、すでに刊行物として発表済みである。 (4)当該年度においては、研究代表者は、完成度の高い成果を得るべく研究を進めた。当該年度の研究は、研究業績の集大成となる松本貴典編著『未踏の領域』(日本評論社、近刊)の刊行に向けて、内容を深化させる重要な実績となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
やや遅れが生じているのは、下記のうち(1)に関する部分であり、(2)および(3)のは順調である。 (1)所在が判明した新資料が少なからずあったため、そのデータのコンピュータへの追加入力作業の必要が生じた。そのため、データ入力作業については、当初の研究計画より若干遅れているのが現状である。 (2)すでに入力の完成した大蔵省『主税局統計年報書』の営業税データに基づきながら、営業税がカバーする在来的な産業について、その全国展開を検討し論文化する作業は順調である。 (3)研究業績については、研究代表者は、1本の完成論文を発表し、現在複数本の論文を鋭意作成中である。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)研究代表者は、当該年度に引き続き、次年度も研究アシスタントと協力しながら精力的にデータのコンピュータへの入力を進める。 (2)研究代表者は、当該年度に続いて、論文作成の作業を進めていく。また、時機を捉えて鋭意学会発表も行っていく。 (3)研究代表者は、入力の完成した大蔵省『主税局統計年報書』の営業税データを用いて、まず在来的第三次産業の全国分析を終える。続いて、各地方税務監督局『税務統計書』所収の営業税データを活用して、さまざまな経済変数と関連させながら、各府県内での在来的第三次産業の発展について分析を進め、それを論文化していく。
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Causes of Carryover |
当該年度においては、各地方税務監督局『税務統計書』について追加的な資料調査が進捗し、所在が新たに判明した資料が少なからずあった。その結果、コンピュータへのデータ入力を完成させるためには、さらに追加的な作業時間が必要となった。当初3年間の研究期間を構想していたが、この作業のために研究期間を延長する必要が生じた。 使用計画については、おもに研究アシスタントへの謝金を増やす必要が生じることになるので、当初の計画で購入予定であったソフトウェアやコンピュータへの支出を、たとえば有償のソフトウェアを無償のオープンソースのもので代替するなどの措置をとることによって、謝金に充当することにしたいと考えている。
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