2016 Fiscal Year Research-status Report

アメリカにおける対日自動車政策の形成（1979～1981年）

Research Project

Project/Area Number	15K03592
Research Institution	Kansai University
Principal Investigator	河崎信樹関西大学, 政策創造学部, 教授 (70512705)
Project Period (FY)	2015-04-01 – 2018-03-31
Keywords	日米自動車摩擦 / カーター政権 / レーガン政権 / 輸出自主規制 / 貿易政策
Outline of Annual Research Achievements	本研究は、日本による対米自動車輸出自主規制に至るまでのアメリカの対日自動車政策の形成プロセス（1979～1981年）の解明を目的としている。解明すべき課題は、①カーター政権期の対日自動車政策の展開、②1980年大統領選挙時における自動車産業政策構想、③レーガン政権における輸出自主規制をめぐる対日要求、である。本年度は、まず①に関しては、カーター大統領図書館（ジョージア州）にて資料調査を行った。主としてホワイトハウス内において国内問題を担当するスタッフが作成・使用した文書の収集を行った。カーター政権の自動車政策が国内政治の文脈で、どのように考えられていたかを明らかにするためである。その成果の一部については、第86回社会経済史学会全国大会（2017年）の自由論題報告にて発表する予定である。また1979年～1980年3月に至るまでのカーター政権の対日自動車政策に関する論考を公表し、その時点までは日本に対して輸出自主規制を要求していなかったことを示した。②の課題については、レーガンが大統領選挙期間中に、日本に輸出規制を要求することを示唆したことに対抗し、カーター政権が鈴木首相との首脳会談を実施する予定であるとのアナウンスを計画・実行したことを明らかにした。③の課題については、議会図書館（ワシントンD.C.）及び国立公文書館（メリーランド州）において、関連する文書の調査を行った。また2017年度に海外から研究者を招聘し、実施する予定の国際セミナー2件に関して、具体的なセミナーの開催日程・内容に関して、調整を行い、これを確定させた。本研究課題に関連して構築したホームページも適宜更新した。
Current Status of Research Progress	Current Status of Research Progress 2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned. Reason 研究代表者は、カーター大統領図書館及び議会図書館、国立公文書館において、カーター及びレーガン政権期に関して予定されていた資料収集を順調に行うことができた。またカーター政権の対日自動車政策に関する論考を公表し、第86回社会経済史学会学会全国大会（2017年）における自由論題報告も受理されている。
Strategy for Future Research Activity	前年度に引き続き、①カーター政権期の対日自動車政策の展開、②1980年大統領選挙時における自動車産業政策構想、③レーガン政権における輸出自主規制をめぐる対日要求、に関する研究を進めていく。 ①については、学会報告を行う。そこでの討論を踏まえて、論文化を目指す。また①②の双方に関わる英語論文の作成を進めていき、海外雑誌への投稿を行う予定である。③に関しては、レーガン大統領図書館や国立公文書館、議会図書館における調査及び資料収集を進めていく。また資料の分析も平行して進め、学会報告への応募を行う予定である。