2017 Fiscal Year Annual Research Report
A study in strategic response and interorganizational relations in institutional environments
| Project/Area Number |
15K03600
|
|---|
| Research Institution | Otsuma Women's University |
|---|
Principal Investigator |
山倉 健嗣 大妻女子大学, 社会情報学部, 教授 (90126384)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Heller Daniel 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 教授 (00362096)
高橋 賢 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 教授 (50282439)
山岡 徹 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 教授 (80377085)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
| Keywords | 経営組織 / 組織間関係 / 制度環境 / 変革 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
制度環境に対し、企業が戦略的に対応し、政府を含むステイクホルダーとの関係（組織間関係）をいかに構築していくのかについて、理論的に実証的に明らかにすることを目指している。本年度も引き続き既存の研究のサーベイを行った。競争環境、市場環境に比べ、規制環境および規制環境への対応の研究が行われていないことが明らかになった。企業と規制環境との関係については、戦略論の視点からの研究の重要性が提示され、規制環境に対して新しいカテゴリーを創造するプロセスを明らかにすることとした。企業は規制環境に従属するだけでなく、規制環境とは自律的に行動していく主体であると仮定した分析を行った。そして企業と政府との関係の分析だけでなく、企業ー媒介組織ー政府との3者関係まで視野に入れた分析を展開していくことが明らかになった。従来はほとんど研究が行われてこなかった媒介組織の研究の重要性を指摘した。
組織論の近年において新たな展開をしている制度理論の成果の応用領域であることが確認され、キーコンセプトである制度的企業家、埋め込まれたエージェンシー、制度ロジック、正当性、制度的対応などの適応可能性について引き続き検討を行った。本年度はどのような条件の下で企業が制度圧力から自由であるのか、制度への多様な対応ができるのか、制度変化につながるのかについて、食品業界の事例研究をつうじて明らかにした。制度環境に直接的に対応するだけでなく、制度的空白を探求することの重要性を明らかにした。制度環境への対応に関して、組織間関係（パワーと信頼）だけでなく、今までは取り上げられてこなかった組織内要因（パワー構造、対境担当部門の位置、トップのリーダーシップなど）が影響を与えていることを明らかにした。
|
