2016 Fiscal Year Research-status Report
自動車産業における供給連鎖網の頑健性と脆弱性:ネットワーク分析による実証研究
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15K03602
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
岡本 哲弥 滋賀大学, 経済学部, 教授 (10411042)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 自動車 / サプライヤー / ネットワーク分析 / 二部グラフ / 海外直接投資 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、自動車メーカーと1次サプライヤーの多対多の関係を部品市場ごとに分析するために、岡本(2012)で得られたサプライヤーとメーカーのネットワーク密度の対称性と寡占度を示す特徴を利用し、分析を進めた。この点については、平成27年9月に実施された日本経営学会第89回大会での研究発表の内容をもとに、今年度研究要旨を取りまとめ、その要旨は「企業間取引における双対誘導ネットワークの相関-自動車部品市場を対象として-」として『経営学論集第86集』(http://www.jaba.jp/)に掲載されている。 次に、2017年9月に専修大学神田キャンパス実施された日本経営学会第90回大会において、「自動車産業における進出国によるメーカーの類型化」という論題で研究発表を行った。本研究の問題意識は、グローバル化が急速に進展してきた自動車産業において、海外進出国のポートフォリオは、メーカー間でどの程度共通し、またメーカーごとにどのような特徴があるのか、という点にあったため、自動車メーカーがグローバルに展開を進める生産拠点(国)に焦点を当てている。方法論に関しては、株式会社フォーインが発行する「世界自動車統計年刊」からデータ・セットを作成し、ネットワーク分析を適用したうえで、さらに、多変量解析(多次元尺度法、クラスター分析)を適用し、自動車メーカーの進出(生産)国の類似性からメーカーの類型化を行うこととした。結果的に、22の自動車メーカーは海外直接投資先によって「多国籍型」「準多国籍型」「限定拠点型」「日系中堅型」「中国型」に類型化されることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
4年計画の本研究課題について、2年目の研究計画に沿っておおむね順調に進めることができた。ただし、研究成果を研究要旨として発表したものの、学会誌等に投稿するには至っていない。一方、先行してグローバル化に関してのネットワーク分析に着手できた。
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Strategy for Future Research Activity |
4年計画の本研究課題について、3年目の研究計画に沿って進める予定である。
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Causes of Carryover |
データ入力のために謝金を当てる予定であったが、学内の経済経営研究所でデータ入力のサポートが得られたため、データ入力謝金が必要なくなったことが主要な理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度、当初1回であった学会報告を2回に増やす予定であるため、その旅費に当てる。また、一部未入手の資料等の購入に当てる予定である。
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