2015 Fiscal Year Research-status Report
製造業における3Dプリンター導入方法論の構築に関する調査研究
Project/Area Number |
15K03612
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Research Institution | Ishinomaki Senshu University |
Principal Investigator |
益満 環 石巻専修大学, 経営学部, 教授 (10347891)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 3Dプリンター / 導入方法論 / 業務改革 / 製造業 / 中小企業 |
Outline of Annual Research Achievements |
東日本大震災の最大の被災地である石巻市において各省庁から多額の復興予算が地元企業に配分されたことにより、高性能の3Dプリンターの導入が相次いでいる。しかし、血税である復興予算で高額な3Dプリンターを導入したものの、経営者の曖昧な導入目的や3Dプリンターを使いこなせる人材の不足、仕事のやり方を変えられないなどの理由により3Dプリンターの導入プロジェクトが失敗に終るケースが多い。国内における3Dプリンター研究においては、ものづくりの高付加価値化に向けて、3Dプリンターの高速化・高精度化・材料の多様化を実現するための技術開発に関する議論が盛んであるが、実際の現場ではそのような高度な議論が出来る段階に至っていない。既存の3Dプリンター導入プロジェクトで早急に解決すべき問題は、導入方法論が確立されていないことである。そこで3Dプリンターの導入を予定している企業にとって真に導入を成功させるユーザー主導の包括的3Dプリンター導入方法論を開発することが本研究の目的である。平成27年度の研究計画は、本研究の基本的な方針及び3Dプリンター導入方法論を開発するにあたっての具体的なアプローチについて確認した後、3Dプリンター及びその導入に関する文献調査により広く基礎知識の集約を図ることであった。また、国内外の研究協力者に対し予備調査を行い、3Dプリンター導入に関する客観的な知見を得ることであった。結果、約200の関連文献を収集し、文献データベースを構築した。これにより幅広い知識を得ることができた。また、3Dプリンターの活用に先進的な岩手県内の企業に協力して頂き、3Dプリンター導入に関する客観的な知見を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度の研究計画は、以下の2点であった。 1.本研究の基本的な方針及び3Dプリンター導入方法論を開発するにあたっての具体的なアプローチについて確認した後、3Dプリンター及びその導入に関する文献調査により広く基礎知識の集約を図る。 2.国内外の研究協力者に対し予備調査を行い、3Dプリンター導入に関する客観的な知見を得る。 上記2点について、どちらも達成した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、開発する3Dプリンター導入方法論について、被災地の3Dプリンター導入済み企業のみならず国内の導入企業に対しインタビュー調査を実施する。インタビュー調査に協力及び参考可能な企業を20社程度選定し、長期かつ詳細なインタビュー調査に移ると同時に随時導入方法論の正当性及び有効性の検証を研究協力者とともに行う。以上の計画に基づき、インタビュー調査の成果を適宜研究論文として発表し、平成29年度に向けて成果と課題を整理する。
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