2016 Fiscal Year Research-status Report
日本企業のインキュベーション機能に関する研究:コーポレート・ベンチャーの体系化
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15K03613
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Research Institution | Hakuoh University |
Principal Investigator |
飛田 幸宏 白鴎大学, 経営学部, 教授 (40341771)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | コーポレート・ベンチャー / 社内ベンチャー / インキュベーション / インキュベータ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究における関心は、日本企業におけるインキュベーション機能にある。本研究では、コーポレート・ベンチャー(以下CV)を包括的および体系的に導入することで新規事業を創造する大企業のインキュベーション機能に注目するとともに、当該企業内でCVを支援するインキュベーション機能を有する専門組織の役割を明らかにすることを試みている。 本研究課題の第2年度目にあたる平成28年度は、前年度に引き続き新規事業を創造するうえでの組織形態や組織手法に関する先行研究および既存企業におけるCVに関する国内外の先行研究をサーベイした。特に、本研究の目的の一つであるCVの体系化に向けた新規事業創造におけるCVに関する問題点および論点の整理を継続的に実施した。 その一方で、日本企業における事業創造の組織形態の実態に関する調査研究を前年度から継続して実施し、CVを活用した新規事業創造および新規事業担当者を支援する組織の役割について把握することができた。 本年度の研究成果として、大企業におけるイノベーションに焦点を当て、企業の成長モデルやイノベーションに関する先行研究の見解をもとに理論的な側面から検討した「大企業の持続的成長とイノベーションに関する一考察」(白鴎大学ビジネス開発研究所『白鴎ビジネスレビュー第26巻第1号』2016年、19-28頁)があるが、本年度までに得られた知見は、学術雑誌への投稿や学会・研究会での報告を通じて可能な限り公表したいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
文献研究や資料研究はおおむね順調に進んでいる。その一方で、当初予定していた国内外の関連企業や組織へのインタビュー等の実態調査に関しては、調査対象とする企業や組織の選定およびインタビュー項目の設定に多くの時間を割かれたため、年度内に実施することができなかった。したがって、次年度可能な限り集中的に実施したいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は最終年度であることから、可能な限り早い段階でインタビュー等の実態調査での調査対象となる企業や組織の選定作業およびインタビュー項目の検討作業を進め、国内外の関連企業や組織へのインタビュー等の実態調査を実施する。それらの実態調査の結果をまとめ、日本企業のCVの包括的・体系的導入による新規事業創造の必要性を検討するとともに、既存企業におけるインキュベーション機能の有効性に関する研究を進めたいと考えている。
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Causes of Carryover |
現在までの進捗状況の項目でも述べたが、当初予定していた国内外の関連企業や組織へのインタビュー等の実態調査に関しては、調査対象とする企業や組織の選定およびインタビュー項目の設定に多くの時間を割かれたため、年度内に実施することができなかった。そのため、国内外の関連企業や組織へのインタビュー等の実態調査を目的とした旅費・交通費等に今年度の助成金を充当する。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
文献研究用の図書購入費および国内外での実態調査を目的とした旅費・交通費等を今年度の助成金に充当することにより、次年度の研究活動を充実できるよう精力的に活動したいと考えている。
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