2016 Fiscal Year Research-status Report
経営プロセスの情報技術によるリバレッジ-具体的なIT利用の提言-
Project/Area Number |
15K03619
|
Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
白田 由香利 学習院大学, 経済学部, 教授 (30337901)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | Industry4.0 / 可視化 / IT / 規範性 / サプライチェーン / 在庫管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
2015/10/1-同12/26までウェブを通じておこなったIndustry4.0に関する実態アンケート調査を分析し、論文にまとめた。アンケート対象業種は国内の機械、電気機器、輸送機器の3業種の一部上場企業である。回答数は、機械(30)、電気機器(37)、輸送用機器(20)である。Morita, Michiya, Calvo, Jorge and Shirota, Yukari: “Envisioning SCM 4.0: The view from Japan,” CSCMP's Supply Chain Quarterly, Quarterly 3, 2016, pp. 40-48, 2016, http://www.supplychainquarterly.com/. アンケートにより、3つのことが判明した。(1)企業はITに関するニーズは高い。Industory4.0に関する関心も高い。Insustory4.0に関するIT化の更なる推進が必要である、という意識は高い。(2)IT推進において、各企業がどこに焦点を当てようとしているのか? 調査しようとしたが、殆どの企業は模索している段階であり、どのような指標を見るべきであるかが定まっていない感じを受けた。ITを使ってオペレーションを行ったとしても、それが経営改善に反映される形でなければ、意味がない。(3)IIndustory4.0の推進を牽引する要因は何か? ハイパフォーマンス企業が実践している価値創造プロセスとは、規範性の保持であると考える。規範性とは、企業全体としての一貫性である。コンセプト作成、設計、製造、販売等の全体のプロセスを通じての、一貫性であることを、アンケートから発見した。また、経営者にITの活用の具体的例を示すために、需要の予測の可視化ツールを提案した。Yukari Shirota, Michiya Morita, Nobuhide Tanaka, and Yutaka Tkahashi: “Visualization for Alleviation of Negative Impacts of Demand Variability through Supply Chain Operations,” Proc. of the 6th International Symposium on Operations Management and Strategy 2016 (ISOMS 2016), June 10-12, 2016, Kobe, Japan, pp. 38-47, 2016.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ハイパフォーマンス企業が実践している価値創造プロセスとは、規範性の保持であると考える。規範性とは、企業全体としての一貫性であることを、アンケートから発見した。それは、各部署のニーズだけでITシステムを構築するべきではない、ということである。このように価値創造プロセスに関する知見の明確化が行えたので、計画は順調に進展していると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
日本のみでなく国際的なアンケートと調査結果比較が必要である。2017年度は、スペイン(Prof. Machuca, セビリア大学)とも協力して、アンケート調査を行ない、国際比較の視点から考察を深める。Prof. Machucaには東京に滞在してもらい、可視化による経営改善のための指標の抽出、などについて議論した。 今年度は、IT化を支援する環境としての可視化のあり方について研究を進める。そのため の可視化の4つの段階として以下を提案する。 Visualization of Stages: (1) Showing Status Quo(現状を示す), (2) Diagnosis of Status Quo(現状を診断する), (3) Selecting Improvement Points(改善点を選択する), (4) Suggesting Strategic Directions(戦略的方向の提案する)。具体的な可視化表現として、在庫管理の可視化について研究を進める。
|
Causes of Carryover |
タイへの出張を計画していたが、延期したため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
タイ、タンマサート大学, Dr Virach Sornmelertamvanichを東京に招へいし、ディスカッションするために使う予定である。
|
Research Products
(3 results)