2016 Fiscal Year Research-status Report
女性事業後継経営者の育成とマネジメント能力向上についての研究
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15K03625
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
高田 朝子 法政大学, 大学院イノベーション・マネジメント研究科, 教授 (10349194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
恩蔵 三穂 高千穂大学, 商学部, 教授 (10287956)
横田 絵理 慶應義塾大学, 商学部(三田), 教授 (20277700)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | リーダーシップ / 女性後継者 / ロールモデル / 効力感 / 女性管理職 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は執筆と調査の二つのことを主としておこなった。執筆においては、今までの女性の管理職についての調査に加え、女性後継者の1年目の調査結果から得た知見、特に効力感についての知見をもとに、生産性出版から「女性マネージャー育成講座」を上梓した。 本書では、本研究で着目している「集団から突き抜けてしまった人の心理的状況」について、効力感の概念から再整理を行った。同時に、生まれながらにしてマネジメントにかかわらなくてはいけない立場の人間という視点から、女性管理職を育てるために必要な要素を抽出し、一般にわかりやすいように再構築を行った。 一方で、女性後継者の調査として徳島県で10人、福岡、沖縄、大阪、京都で10名と合計20名の聞き取り調査を一年かけておこなった。この内容については最終年度に論文としてまとめる。インタビューを続ける中で、彼女たちはロールモデルが父親であることは必ずしもなく、むしろ父親との相克の中で新たに自分なりのマネジメントスタイルを見出したものが一定数いることがわかった。これは今まで言われていた父親から守られ、育てられる女性後継者という点からは相反する実態であり、重要な発見であると考える。 また、彼女達は共通して、女性後継者の育成の道のりが手探り状態であったこと、男性とは違うマネジメントのやり方の確立に苦しんだ経験を語った。彼女たちが共通して口にしたのはマインドセットを新しくする勇気を持つことの重要性であった。又、女性社長という立場が男性であった先代社長よりも話しやすい立ち位置にあることも多く語られコミュニケーションの円滑さが一つの後継社長の要素であることが発見された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定していた調査を殆ど終え、今年度は論文を書くことが不可欠である。 当初に予定してた先代経営者達へのアンケート調査は昨年度実施しなかった。しかし、その反面予定より多くの聴き取りをすることが出来た。 新たな発見があったことにより、研究の方向を微調整している。
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Strategy for Future Research Activity |
2年間に得たデータや調査結果を基に研究の報告と成果のまとめを行い、学術誌投稿、一般ビジネス誌投稿、学会発表など社会に向けて発信する。2017年度の経営行動科学学会、ファミリービジネス学会での発表は行う予定である。 又、追加の調査として、昨年インタビュー調査をした後継者の一部に追加のインタビューをすること、資本規模が1億以上の企業の後継者へのインタビューが出来ていないので、追加で実施したいと考えている。
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Causes of Carryover |
前年度は様々なところから女性後継者の紹介をいただき、インタビュー調査を予定よりも多くすることができた。そのため時間がとれずに郵送による質問紙調査を実施しなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
定性調査を増やし、より多くの女性後継者に聞き取り調査を行う。当初の予定であった質問紙調査よりも、定性調査のサンプル数を増やしより深いインタビューをすることで研究に多面性をもたせる。
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Research Products
(3 results)