2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K03630
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
安藤 史江 南山大学, その他の研究科, 教授 (70319292)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 組織学習 / チーム・マネジメント / 学習のジレンマ / 組織アンラーニング / ダイバーシティ / 組織アイデンティティ |
Outline of Annual Research Achievements |
1年目である平成27年度は、組織学習に関する研究およびチームに関する研究を幅広く収集した。その際、双方に共通して陥りやすい問題としての学習のジレンマ、視野狭窄などが浮かび上がってきたことから、組織学習およびチーム・マネジメントにとって負の側面を持つそうした現象に陥らないために有効なマネジメントの在り方を検討した。その結果は、単著論文「組織学習のジレンマに対する中断の効果」として発表済みである。 また、チーム成果が組織成果にまで高められたという成功事例を集めるという目標を実現するため、チーム・マネジメントに関するヒアリング調査および質問票調査に協力していただける企業・組織を、さまざまな方のご支援・ご協力をいただきながら探す活動を行った。その結果、現在、1社のご協力が得られそうである。 これと同時並行的に、以前に簡単な調査を行い、十分な形ではまとめきれていなかった事例を再度整理・精査することを通じて、組織成果の観点からみたチーム・マネジメントの成功に重要と思われる条件やメカニズムの分析・考察を行った。具体的には、組織学習を組織アンラーニングやダイバーシティ、組織アイデンティティなどの他の概念とリンクさせて捉える試みを行った。その成果は4本のワーキング・ペーパーという形で、発行された。 文献調査、質的調査に加え、調査対象は異なるものの、量的データの収集も行った。具体的には、病院の看護師チームを対象に、文献で確認された事柄、文献サーベイを通して構築された仮説、事例研究を通じて導いた命題などについて、質問票調査を行い、現在までに5つの病院の、約500サンプルを収集している。これから本格的な分析に着手するところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の欄に記したように、既に、看護チームに関する量的データの収集は終わっているとともに、企業を対象とした質的および量的調査についての計画も、1社ではあるが、ご協力が得られることがほぼ確定している。このことから、当初計画で予定していたデプス・インタビューも実現可能性が十分にあると考えている。 また、文献サーベイも比較的順調に進んでいる。まだ論文や著作などの形になっているものは少ないが、それは1年目がインプットの時期にあたっているからであり、2年目以降、徐々にアウトプットに比重を移していくことで、ほぼ予定通りに進展しうると考えている。 以上の理由により、総合的にみると、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、ワーキング・ペーパーとしてまとめたものを、1冊の著書としてまとめる。また、あわせて、ご協力が得られる見込みである1社の事例研究のうち、まずはヒアリング調査に深く取り組み、可能な限り有効な質問票調査の実施に向けて下準備を行う。 一方で、現在すでに入手済みの看護師チームに関する量的データの分析を行い、そこで得られた知見も、前述した質問票調査に活かしていくものとする。 また、文献サーベイも引き続き、掘り下げていく。
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Causes of Carryover |
予定していたヒアリング調査のうち、先方のご都合により断念したり、2015年度には実施できないものがあったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2015年度に実施できなかったもののうち、2016年度に延期されたものがいくつかあるため、そのための旅費・謝金等にあてる予定である。
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Remarks |
いずれも、南山大学経営研究センター発行のワーキング・ペーパー
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Research Products
(5 results)