2017 Fiscal Year Annual Research Report
Breakdown of multi-sector collaboration and sustainable scaleout strategy
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15K03631
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
佐々木 利廣 京都産業大学, 経営学部, 教授 (80140078)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 協働 / NPO / 破綻 |
Outline of Annual Research Achievements |
マルチセクター協働の事例として今年度は、障がい者支援と環境問題を視野に持続可能なビジネスモデルを実現しているNPO法人よか隊(福岡県)、障がい者支援を中心に多様な企業との協働を進めているNPO法人ワークinならやわくワーク館(福岡県)、行政と企業とNPOの協働による地域交通システム「あねっこバス」を運営している事例(岩手県雫石)、遠野市と富士ゼロックスの協働をもとに地域創造を進めている(社)遠野みらい創りカレッジ(岩手県遠野市)、東北発のオリジナル手仕事ブランドを推進する東北クロッシェ村(岩手県遠野市)、高田自動車学校はじめ多くの企業との協働により地域活性化に取り組んでいる認定NPO法人遠野山・里・暮らしネットワーク(岩手県遠野市)などのケースを調査した。 異種組織間の協働の成立から関係の強化、そして場合によっては関係の解消や破綻などの過程を時系列で聞き取り調査をすることで、なぜ協働が生れたか、協働の過程でどのようなコンフリクトが生れたか、さらには協働の結果何が生れたかについてかなり詳細なデータを得ることができた。また多くの事例で、事業者が自らのビジネスモデルを他地域に移転することの重要性を認識しているように感じたが、こうしたスケールアウト戦略についてはまだ多くの課題を残したままであることが分かった。協働ノウハウは多分に暗黙知的要素が強く、他の地域の当事者が簡単にコピー&ペイストができなく、最終的には実践共同体のなかで学習することで身につくことが基本であり、こうした実践共同体をどのようにデザインし実行していくかについて試行錯誤を繰り返している現状が明らかになった。こうした中で認定NPO法人遠野山・里・暮らしネットワークにおける人材育成やノウハウ移転の試みは注目すべき事例であり、さらに詳細な検討が必要と考える。
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Research Products
(2 results)
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[Book] 地域協働の組織論2018
Author(s)
佐々木利廣・大阪NPOセンター編著
Total Pages
222
Publisher
中央経済社
ISBN
978-4-502-26821-2