2015 Fiscal Year Research-status Report
ファミリービジネスのコーポレート・ガバナンスに 関する実証的・理論的研究
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15K03633
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
松村 勝弘 立命館大学, 経営管理研究科, 非常勤講師 (40066733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠田 朝也 北海道大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (50378428)
田中 伸 滋慶医療科学大学院大学, 医療管理研究科, 准教授 (60413556)
飛田 努 福岡大学, 商学部, 准教授 (60435154)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ファミリービジネス / コーポレート・ガバナンス / 経営理念 / 社是社訓 / 事業承継 |
Outline of Annual Research Achievements |
メンバー個々の活動を別として,メンバー全員で取り組んだ事柄を整理しておく。2015年9月2日~4日に北海道大学篠田研究室において,研究会を行い,今回の研究の方向性を確認するとともに,文書提出後の状況変化ならびに昨今のコーポレート・ガバナンスを巡る状況の確認を行った。 2015年10月26日に,京都山科にある「福田金属箔粉工業株式会社」を訪問し,社長ならびに監査役へのインタビューを実施した。その際,同社には過去2回社史を刊行されていることが分かり,これを所蔵している大学で借りだして,これを検討することができた。その結果,これがかなり興味深くかつわれわれの研究に有用であることがわかった。 これらを踏まえた上で,2016年3月7日~9日に福岡大学で研究会を行った。インタビュー結果やこれ以外でも科研メンバーが他で聞き取った話を総合すると,コーポレート・ガバナンスといって良いかどうかは別として,社長が自分の代でこの会社を潰すわけにはいかない,という意識を強くもっており,これがある種のガバナンスになっていることが分かった。しかしこれは今日流布されているコーポレート・ガバナンスとはかなり異なるのではないかという考えをメンバー全体で共有することができた。 さらに,本研究会では,今後のインタビューにおいて,何を深めるべきかの議論を行った。問題の整理を進めることができた。かつ,次回のインタビュー計画を具体化するとともに,次回以降のインタビューをも視野に入れた検討を進めた。ただし,課題名の一部となっているコーポレート・ガバナンスという括り方がこれでよいのかどうか,という問題は,なお残された課題として,インタビューを進める中で考えて行くことになっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全員が3回集まって議論することができた。2回は合宿型の研究会であり,もう1回はインタビューであった。各人の研究の進展とインタビューを基礎に検討を深めることができ,問題が明確になってきた。ただし,「ファミリービジネスとコーポレート・ガバナンス」という枠組みで十分分析できるのかといった新たな問題が浮上するなど,今年度以後もこれを研究していく必要がでてきている。とはいえ,新たな問題が出て来ていると言うことは,研究が進展しているからであるとも言える,と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2016年度に,すでに,2回のインタビューを企画しており,実行に向けて準備を進めている。これ以外のインタビューも進行の中では考えてみたい。さらに,これまでの研究の進め方を踏襲して,夏期合宿と2017年2月頃の冬期合宿も念頭に置いて研究を進めている。
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Causes of Carryover |
記述のように,「ファミリービジネスとコーポレート・ガバナンス」という分析枠組みで十分分析できるのかなどの問題に気づくなど,体制の立て直しも必要になるなど,戸惑いもあって,とりあえず次年度に深めたいという問題意識,さらにはインタビュー受け入れ先の確保に手間取ったと言うこともあり,体制整備して2016年度のインタビューなどのために繰り越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記理由から2015年度にはインタビューに必ずしも十分取り組めなかったので,2016年度にはインタビュー先を十分確保して,インタビューなどを積極的に行なう計画であり,既に準備が進んでいる。
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Research Products
(2 results)