2015 Fiscal Year Research-status Report
日本におけるデザイナーのデザイン態度の形成要因に関する実証的研究
Project/Area Number |
15K03635
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
八重樫 文 立命館大学, 経営学部, 教授 (40318647)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | デザインマネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、専門家研究の知見を援用し、デザイナーのデザイン態度(デザイナーやデザイン組織が持つデザインに対する考え方やその文化)とプロフェッション(職業の規範)がどのように形成されているのかについて、デザイナーおよびデザイン組織を対象に実証的な調査分析を行い明らかにするものである。平成27年度の研究実績は以下の3点である。 1.デザイナーを対象にしたインタビュー調査と分析:国内製造業の「インハウス・デザイン部門(集中型・分散型)」において、計4社(集中型1社、分散型3社)・6名のデザイナーに対して、自身のデザイン態度形成についてのインタビュー調査を行った。さらに、プロダクトデザインを専門としているデザイン会社2社に対してのインタビュー調査(計5名)、フリーランスデザイナー2名に対してのインタビュー調査を行った。これらのインタビュー調査から収集されたデータに対して、会話分析・コード化の手法を用いた分析を行った結果、デザイナーの持つデザイン態度・プロフェッションとその形成要因の要素が分析・抽出された。 2.先行研究の検討を行った論文の発表:当該研究の分野が対象とするこれまでの先行研究の内容の検討を行った論文(査読付き研究ノート)として、「プロフェッショナルとしてのデザイナーの持つデザインの志向の実証的研究に向けた理論的基盤の検討」(立命館ビジネスジャーナル Vol.10, 2016年2月発行)の執筆と投稿を行った(掲載済)。 3.国外で活躍するデザイナーを対象にしたデータ収集と国内事例との比較分析:加えて、日本人デザイナーのデザイン態度とプロフェッションの所在をより明らかにするため、国外(イタリア)で実績を上げている日本人デザイナーに対してインタビュー調査を行い、そのデザイン態度の形成要因やプロフェッションの形成に影響を与える要因を抽出し、国内事例との比較分析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画調書に記した当初の計画に沿って順調に進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度も研究計画調書に記載した計画に沿い、「外部組織型デザイン部門(集中型・分散型)」および、JIDA(公益社団法人日本インダストリアルデザイナー協会)に登録するデザイン事務所を対象にしたインタビュー調査と分析を行う。加えて、これまでのデータの中で不足していると思われる内容を補完するため、前年度のインタビュー調査を追加・継続し、並行して分析を行う予定である。また、これまでの分析結果を論文にまとめ、国際学会・国内学会への投稿・発表を行う。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由として、データ分析方法の詳細検討により分析方法を若干変更したことで、当初購入予定のデータ解析ソフトウェアの購入を行わなかったことによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次の4点において、研究費を使用する予定である。1.インタビュー調査における移動交通費(主に研究代表者所属大学がある関西圏内での移動および、関西から東京への移動);2.インタビュー調査で取得したデータの分析にあたり、学部生・大学院生にデータ整理の協力を依頼するための謝金;3.インタビュー調査およびデータ分析作業で発生する消耗品費;4.研究報告および論文執筆・投稿のための国内・海外学会参加費・旅費・滞在費
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Research Products
(3 results)