2017 Fiscal Year Annual Research Report
Empirical study on factors to achieve stress reduction and improvement of personal work performance simultaneously
Project/Area Number |
15K03640
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
岩田 一哲 信州大学, 学術研究院社会科学系, 准教授 (70345859)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 良治 筑波大学, 産学連携部, 技術移転マネージャー (30350424)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | ソーシャルスキル / コンピテンシー / 職務遂行 / ストレス削減 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ストレス削減と個人の職務遂行を同時に達成するための能力の探索が主目的であった。この目的に照らして、3年間にわたる研究を行ってきた。 研究の概要は、以下のとおりである。第1に、ストレス削減と個人の職務遂行を同時に達成する能力を探索した。ここでは、近年人事評価において導入されつつあるコンピテンシーと、ストレス削減能力として注目されているソーシャルスキルに注目し、この2つの尺度を利用した。第2に、職務遂行に関わる評価尺度を検討した。本研究では、組織行動論の中で用いられている組織貢献度の尺度を参考にして独自の尺度を作成した。第3に、これらの尺度をストレスモデルの中に組み込んで、実証的な検討を行った。ストレスモデルはストレスの原因から結果に向かうモデルであり、この中で、何らかの媒介要因によってストレスの結果が増えたり減ったりすることが想定されている。そこで、結果となる変数は、うつ反応と前述の組織貢献度とした。媒介要因として、ソーシャルスキルとコンピテンシーを組み込み、能力がストレスと組織貢献度にどのような影響を与えるかを分析した。 結果は以下のとおりである。第1に、ソーシャルスキルは、ストレス削減と職務遂行の両者に有意な相関関係があった。第2に、コンピテンシーは、職務遂行には有意な相関関係があったが、ストレス削減には有意な相関関係はなかった。したがって、ソーシャルスキルが、ストレス削減と個人の職務遂行の両者を同時に達成できる能力である可能性が高い。第3に、ソーシャルスキルが、いつ形成されるかについての検討を行い、20代よりも30代以降で有意に大きな値を示した。したがって、職場での経験によって、ソーシャルスキルが開発されることが把握できた。 今後は、ソーシャルスキルがいつ形成されるのかについてのより詳細な検討を行い、組織内での能力開発の一助としたい。
|
Research Products
(1 results)