2015 Fiscal Year Research-status Report
創発的ビジネスモデルのイノベーション:事例の多角的分析
Project/Area Number |
15K03645
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
伊藤 嘉浩 東京理科大学, 経営学部, 研究員 (60436235)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
殷 勇 同志社大学, その他の研究科, 教授 (50344776)
野田 英雄 東京理科大学, 経営学部, 准教授 (90347724)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | ビジネスモデル / 創発的ビジネスモデル / 進化プロセス / 二面市場戦略 / プラットフォームエンベロープメント戦略 / 消耗品ビジネスモデル / 競争戦略 / 知識創造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ビジネスモデルのイノベーション、つまりビジネスモデルの創造や進化のプロセスについて、事例研究を中心として調査分析するものである。特に、ビジネスモデルの創造のプロセスにおける創発的ビジネスモデルという新しい概念を用いて分析した。初年度(平成27年度)の研究実績は、次の通りである。 1、ビジネスモデルの創造プロセスの事例の調査分析について、出版済みの2事例に加えて、新たに1事例(巣鴨信用金庫)の調査分析を実施し、論文を作成した。この事例研究では、事前の計画が全くなく、創発的ビジネスモデルが生まれて全社戦略となり浸透していくというプロセスを新たに発見した。 2、ビジネスモデルの進化については、プラットフォームエンベロープメント戦略における実行と防衛のプロセスの事例を調査分析し、論文を作成した。 3、ビジネスモデルの分析については、消耗品ビジネスモデルについて、従来のハードウェア主体のモデルと別に、成熟消耗品を中心にシステム化してビジネスモデルを構築するタイプのビジネスモデルを提示し、顧客価値、事業の仕組み、儲けの構造の分析を行い、論文として発表した。 4、さらに、(1)創発的イノベーションにおける資源獲得を正当化する論理として、独自のお墨付きの論理を実証する研究成果について国際会議で発表し、邦文論文を作成した。(2)ビジネスモデルの創造プロセスに関係の深いベンチャー企業におけるビジネスモデル創造の契機について分析して、論文を作成した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、年間2事例の調査分析を行い、2本の論文を作成することになっていたが、研究実績の概要の欄に説明したように、これを大幅に上回る研究を実現し、計画以上の本数の論文を作成することができたためである。また、計画に予定していた研究のみならず、その基礎となる創発的イノベーションの研究成果も得られたこともその理由である。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究を計画通りに進めていく。具体的には、ビジネスモデルの創造や進化のプロセスについて、さらに2事例の企業の調査分析を実行し、2本の論文を作成する。 また、実施済みの研究成果とこれらを総合して、比較事例分析の論文を作成するための準備を行う。 さらに、これらの研究に適時、数理分析や統計分析を組み合わせる手法について、研究分担者とともに、さらに研究を進める。
|
Causes of Carryover |
平成28年度に予定していた国際会議の論文の英文校正・翻訳費用を、余裕をもって予想した見積もりよりも多めに、20万円を前倒し配分して頂いていたために残金が出たこと、と平成27年度中に予定していた英語論文の作成を、平成28年度に変更したためにそのための英文校正費が残金となったことにより、次年度使用額が発生した。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
以上の理由により、次年度使用額を加えて、平成28年度の研究計画の通りに研究を実行することで、使用する計画である。
|