2016 Fiscal Year Research-status Report
日本・ドイツ・韓国における装置・素材産業のグローバル戦略比較調査
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15K03646
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
朴 英元 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 教授 (90526485)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 装置産業 / 素材産業 / 本国資源の活用 / 現地市場への適応 / 動態的な視点 / グローバル戦略 / 日本 / ドイツと韓国 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、日本の装置産業と素材産業のグローバル戦略に焦点を合わせて、本国資源の活用と現地市場への適応のプロセスを動態的な視点で明らかにするために、日本の装置・素材産業とドイツと韓国の装置産業・素材産業を取り上げ、本国市場での成長戦略だけではなく、グローバル市場に展開する際に本国資源の活用ととともに、現地市場への適応プロセスを動態的に分析することに焦点を合わせている。 研究2年目である平成28年度(2016年度)では、装置産業と素材産業の本社部門(HQ)が構築してきた組織能力の活用と現地市場への適応プロセスを明らかにするために、初年度に提示した親会社と海外子会社、または海外子会社間の動態的学習プロセスに関するフレームワークに基づき、インタビュー調査を実施した。具体的に、本社のグローバル展開により、日本国内と韓国の本社訪問とともに、日本、韓国、米国、中国、台湾、東南アジアに立地している海外子会社を対象にフィールド訪問調査を行なった。また、平成27年度との比較のために、初年度調査を行った企業の海外子会社を訪問し、それぞれの企業のグローバル戦略の特徴に関する調査を行い、一部の研究成果を積極的に発信した。ドイツの装置産業・素材産業調査のための本社訪問は実現できなかったものの、ほかの地域に進出している企業調査はある程度実施できた。具体的な研究成果は、図書1冊の出版、5本の論文と査読付き論文3本(そのうち、SSCIジャーナル1本)を出版した。また、査読付きの国際学会報告4回と国内学会報告2回を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、日本の装置・素材産業とドイツと韓国の装置産業・素材産業を取り上げ、本国市場での成長戦略とグローバル市場に展開する際に本国資源の活用ととともに、現地市場への適応プロセスを動態的に分析するための分析のフレームワークを提示し、日本、ドイツ、韓国の装置・素材産業から研究対象を抽出し、その後、具体的に抽出された日本、ドイツ、韓国に位置している本社を訪問し、インタビュー調査を行い、本研究課題のフレームワークを検証することである。このような日本・ドイツ・韓国企業の本国と海外子会社の関係を動態的な視点で比較分析することで、国際経営論の視点で日独韓企業のグローバル戦略を分析しただけではなく、経営組織論・製品開発論といったより広い文脈から組織間関係を捉えようと試みた。2016年度は、本研究のフレームワークに基づき、日本国内と韓国の本社訪問とともに、日本、韓国、米国、中国、台湾、東南アジアに立地している海外子会社を対象にフィールド訪問調査を行なった。ドイツへの訪問調査が実現できなかったものの、調査結果をまとめて、その成果を積極的に発信しており、研究成果の側面からはおおむね順調に進展していると考えられる。 次年度は、今年度実現できなかったドイツへの調査とともに、日本国内、米国、韓国などに立地している海外子会社を対象にフィールド訪問調査を継続しつつ、全体の成果をまとめて国際的に発信する予定であり、本研究の目的を十分達成できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度(2017年度)のインタビュー調査では、ドイツに立地している企業の訪問調査とともに、日本、米国、韓国に立地している海外子会社を対象にフィールド訪問調査を実施する。研究の最終年度として、研究成果をまとめつつ、国際的に積極的に発信していく。具体的に、その成果を国際学会に3回以上報告し、さらにその成果をまとめて図書として出版しつつ、国際ジャーナルに投稿していく計画である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、平成28年度(2016年度)実施予定であったドイツの装置産業・素材産業調査のための本社訪問が実現できなかったためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度(2017年度)のインタビュー調査では、ドイツに立地している企業の訪問調査を実施する予定である。
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