2015 Fiscal Year Research-status Report
特許分析に見るスマートフォン企業の技術戦略とアライアンスネットワークの生成・変化
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15K03653
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
陳 韻如 滋賀大学, 経済学部, 准教授 (00389404)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朴 唯新 県立広島大学, 経営情報学部, 准教授 (20435457)
中岡 伊織 宇部工業高等専門学校, 経営情報学科, 准教授 (50469186)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | スマートフォン / 特許分析 / 国際比較 / 技術選択 / コア硬直性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、世界(日・台・中・韓・米)のスマートフォンベンダー/部品企業の技術開発の方向性や、グローバルアライアンスネットワーク内の連携パターン・構造、ネットワーク間の競争優位の変化について特許データの分析によって明らかにすることである。平成27年度の研究計画として、①特許データベースの構築、分析方法の開発、分析枠組みの構築、②世界スマートフォンベンダーの技術開発の方向性、それぞれのアライアンスネットワークの構造等の可視化、などが挙げられる。 以上の計画を踏まえ、本年度はまず、世界スマートフォンベンダーの技術開発の方向性と研究開発組織について、Park, Nakaoka, Chen(2015)は日本スマートフォン企業のソニー、シャープ、パナソニック(元スマートフォン企業)とApple、Samsungの技術の推移を可視化し、産業全体の技術の変化と各社の技術の相違点等を推敲した。また、特許出願者のネットワーク分析を行い、ヒートマップによって技術選択における各社の組織のコア硬直性を示し、日本企業は従来技術援用型、Apple、Samsungは新技術探索型の研究開発組織を採用する可能性が高いと結論付けた。この結果は、日本情報家電企業の失敗原因を従来と異なる視点で解釈する可能性を示唆した。第二に、Nakaoka, Park, Chen(2016)、中岡他(2016)は、日本企業の研究開発組織を対象に、社会ネットワーク分析を用いて研究開発組織のストラクチュラル・ホールの検出方法の開発を試みた。第三に、海外実地調査について、2016年3月10日に陳が台湾の資訊工業策進会を訪問した。アライアンスネットワークを含むビジネスエコシステムという概念のもと、台湾・中国の重要スマートフォンベンダー(HTCとXiaomi)の戦略変化やビジネスエコシステムの構築について情報を収集し、意見交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①スマートフォンベンダー/部品企業の特許データベース構築について、日本企業(ソニー、シャープ、パナソニック)とApple、Samsungのデータ入力を継続しつつ、部品企業の特許データのダウンロードを開始した。②世界スマートフォンベンダーの技術開発の方向性、研究開発組織の構造等の可視化について、日本と世界のベンダーとの比較を行い、その結果を国内と海外の学会で発表した。また、新興の中国スマートフォンベンダー(Xiaomiなど)について情報を収集し、中国企業のビジネスエコシステムの構築プロセスを分析した。その成果を論文化する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
①特許分析に関わるデータのダウンロード・整形・分析をより効率よく行う。必要な際、随時研究補助者を追加して対応する。②スマートフォン各社のアライアンスネットワークを析出するため、特許出願者の共同出願ネットワークを可視化するツールの開発を進める。③スマートフォン市場に大きな影響を与える台湾・中国のスマートフォンベンダー/部品企業への実地調査を追加して実施する。
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Causes of Carryover |
特許データベースの構築作業は効率的に行うことが難しかったためである。研究補助者は新規採用したため、データベース構築のマニュアルを導入するには時間がかかった。また、世界のスマートフォン関連企業の特許データが必要なため、英語・中国語に精通する研究補助者の確保が難しかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の使用計画として、特許データベースの構築に必要な研究補助者を確保しつつ、さらに1名を追加雇用する。追加雇用の研究補助者の謝金として1名に10万円強を計上する。
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Research Products
(6 results)