2016 Fiscal Year Research-status Report
エビデンスに基づいたスタートアップ企業のためのイノベーション戦略
Project/Area Number |
15K03656
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山口 栄一 京都大学, 総合生存学館, 教授 (30367974)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 寛康 兵庫県立大学, シミュレーション学研究科, 准教授 (60418499)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | SBIR / 日本 / 米国 / 英国 / 政策 / イノベーション / トランスサイエンス |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度において研究代表者は、それまでに行なってきた成果と合わせて27年度に得られた研究結果をまとめて、『イノベーションはなぜ途絶えたか―科学立国日本の危機』を執筆した。本書は、28年12月にちくま新書として出版された。章の内容は以下の通りである。序章 沈みゆく日本を救え/ 第1章 シャープの危機はなぜ起きたのか/ 第2章 なぜ米国は成功し、日本は失敗したか/ 第3章 イノベーションはいかにして生まれるか 第4章 科学と社会を共鳴させる/ 第5章 イノベーションを生む社会システム 本書の中で代表者は、日本の科学とハイテク産業の凋落を定量的に分析し、その原因が企業の基礎研究軽視のみならず、政策的失敗にもあったことを、ベンチャー支援策に成功した米国との比較から解明した。さらに科学の発見からイノベーションが生まれる原理を明らかにし、日本の科学復興に向けた具体的な処方箋を示した。
研究分担者は、日本の網羅的企業データを用いてSBIRの直接的な効果について検証した.具体的には売上と雇用,特許の出願数である.結果として,SBIRを受けた企業はこれらの指標において有意な効果は見られなかった.加えて企業サイズ,複数の助成,技術分類,地域でのベンチャーキャピタルの投資額,人口等でコントロールした場合においても,有意な効果は見られなかった.結論として,ここで測った指標は効果を測る上で直接的なものであったが,それら指標においては助成を受けた企業がその効果を発揮しているとはいえなかった.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請した通り、日本のSBIR評価および他の国のSBIR評価について推進している。さらに、トランスサイエンスとイノベーションとの相関について分析した。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後とも申請通り、あるべき日本のSBIR政策について検討、提案を行なっていく。
|
Causes of Carryover |
研究代表者=1716円の次年度使用額が生じた。当初予定したよりも出張旅費が節約できたことによる。
研究分担者=12725円の次年度使用額が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究代表者=次年度の出張旅費として用いる計画である。
研究分担者=次年度の研究費として用いる。
|
Research Products
(4 results)