2016 Fiscal Year Research-status Report
持続的競争優位獲得のための適切な製造-販売協働の実証的研究
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15K03669
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
永島 正康 高知工科大学, 経済・マネジメント学群, 教授 (20745202)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 国際経営 / サプライチェーンマネジメント / コラボレーション / 需要の不確実性 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、製造-販売協働のマネジメントシステム(Supply Chain Collaborated Management System:以下SCCMS)において需要不確実性の低減に焦点をあてた新たなモデルを提起すべく、研究実施計画書の通り、主に、聞き取り実態調査を行った。対象は、前倒しで進んでいた計画のうち、カバーできていなかった日本の流通部門への一連の業務過程の聞き取り実態調査を行った。結果、平成27年度から28年度に至る2年間で予定していた聞き取り調査は、予定通り全て完了した。
上記の調査結果を踏まえ、これまで実践方法が十分に解明されていなかったSCCMSの効果的なあり方を、4つの活動の設計要素(製品の普及段階と特性、流通業者の選択、協働の度合い)と4つの組織間の関係性要素(信頼関係、報酬、相互関係、協働の度合い)という2つの枠組みから構築、これらSCCMS概念モデルと企業の事例による検証結果を、英文ジャーナル掲載1本、国際大会発表2回を通じて提示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請者が太いパイプを持つ企業を中心とした聞き取り調査だったため、企業の内部者でないと知り得ぬような実態やプロセスに関する克明な情報を入手できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、平成29年度研究計画通り、以下2つのテーマを着実に実践していく: ①モデル化:文献調査並びに収集した一次データに基づき、早期に競争優位獲得、それを維持できるSCCMSの概念モデルを構築する。 ②モデルの検証と理論化:収集した一次データをもとに、成果を創出し、持続的競争優位獲得に成功している市場のSCCMSを、我々の活動の設計と組織間の関係性構築の概念モデルを通じて、理論的、実務的に説明できることを明らかにする。また、協力企業 との勉強会を通じて、実際の現場での我々の概念モデル適応を行いながら、必要に応じて、モデル修正をしつつ、最終的にSCCMS概念モデルの実効性を確認し、国内外での学会発表、国際ジャーナル投稿、並びに図書出版を行う。
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Causes of Carryover |
平成28年度に実施した日本の流通部門への一連の業務過程の聞き取り実態調査や国際大会発表は、他の研究活動と並行して行ったため、それらの費用は、他の研究費用から捻出した。そのため、平成28年度本研究実績費用はゼロになっている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
モデルの枠組みを構築する過程において、モデルの質的向上を図るための研究者との議論、モデルの外的妥当性を確保するためのインタビュー調査や実務家との議論を計画している。加えて、結論の理論的・実務的示唆を検証するために、実務家、研究者との議論も予定している。上記を踏まえ、SCCMS概念モデルと企業の事例による検証結果を、国際大会で発表、書籍にもまとめて発刊する計画である。
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