2016 Fiscal Year Research-status Report
認知科学的手法によるベンチャー企業のための顧客ニーズ把握と評価モデルの開発
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15K03670
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
井形 元彦 高知工科大学, 工学部, 教育講師 (70626861)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桂 信太郎 高知工科大学, 経済・マネジメント学群, 教授 (00312190)
繁桝 博昭 高知工科大学, 情報学群, 准教授 (90447855)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 花卉 / ベンチャー企業 / 感性工学 / 脳科学 / fMRI / ニューロマーケティング |
Outline of Annual Research Achievements |
N農園(ユリ)、M農園(ハーブ)、M園芸(ビオラ、パンジー)、Nオーキッド(蘭)の4社の企業の協力を得て、研究を進めている。①花卉ベンチャー企業経営の調査研究に関連する既往文献の収集とレビュー、②脳科学・感性工学分野に関する既往文献の収集とレビューとあわせて、③経営者に対するインタビューおよび継続的経過観察法により。起業から事業化に至る定性的なケース分析を継続中である。 今後の経営戦略上、重視している個人観賞用花卉の販路開拓を目的としたニーズ把握のための花卉(2016年度はユリ、胡蝶蘭)を対象としたアンケート調査、ここから得られた知見をもとに、感性工学的手法による分析を実施した。 脳科学と花卉に関する実験については、3 次元構造が知覚される回転呈示が対象の評価に与える影響について検討するため,3 次元構造が比較的複雑であり,それが評価に影響を与えると考えられる自動車および花を評価の対象とし,3 次元構造知覚をもたらす回転呈示,3 次元構造をもたらさない回転呈示,静止画像の3つの呈示手法を用いて,対象の好ましさを評価する課題を行った.また,課題遂行時にfMRI を用いて脳活動を計測することで,呈示手法の違いにより報酬系の活動に差が生じるかどうかを検討した.その結果,3D による呈示が対象の評価に好ましい影響を与えることが脳活動においても示唆された. 研究成果の一部は、国際学会である2016 International Symposium on Economics and Social Scienceにて2件(昨年度の報告書に掲載)、電子情報通信学会ヒューマン情報処理研究会,日本バーチャルリアリティ学会VR心理学研究委員会,情報通信研究機構脳情報通信融合研究センターによる共同開催(脳情報通信融合研究センター)にて1件、発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」にて説明した通り、当初の計画にそって研究を進めている。花卉のアンケート調査、感性工学的手法、セマンティック・ディフェレンシャル法による分析を複数回、実施した。また、2016年度は花卉(写真)の呈示の仕方と人間の脳機能の状態をfMRI実験により観察した。研究成果の一部を学会にて3件(内国際学会2件)発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
2016年度に行った第2次実態調査の分析で得られた結果を基に第3次実態調査計画を策定する。アンケート内容の見直し、花卉種類の迫加、被験者の追加等を想定している。場合によっては、花卉ベンチャー企業(ビオラ等栽培、ハーブ栽培、ユリ栽培、蘭栽培)にさらに新たな企業も追加する。 基本的には2016年度の研究を深めていく。fMRI実験は本実験の位置づけとし、前年度の試行結果を基に取組む。実験結果の解析にあたっては、感性工学的なアプローチとfMRI実験により、その相互の相関等を分析する。顧客プロフィール別(男女や年齢等)と好み等の差異を、理性的判断なのか感情的判断なのか等、脳機能の面から説明できる評価モデルの開発に取り組む。 fMRI実験を踏まえ、マーケティング・心理学・神経科学を統合しようとするニューロマーケティングの視点で、花卉ベンチャー企業経営に資する顧客ニーズ把握と個人消費拡大のための評価モデルの開発を行う.その結果を企業に提示し意見交換をすることにより評価を行う。 さらに、先進的な海外の農業経営(花弁)に関する実態調査(オランダ他)を試み、研究に反映させたい。研究の進捗をみつつ、国内外の学会発表も積極的に行い(2017年度は国際学会での発表1件が決定済み)、外部の有識者のご意見も反映していく。さらに、学会への論文投稿も行う。
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Causes of Carryover |
2016年度においては、海外での学会発表がなかったことなどもあり、次年度への繰越が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度は、海外での学会発表、英文での論文投稿を予定している。さらに、農業にて先進的なオランダの実態も調査し研究に反映していく。研究備品の購入も予定している。
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Research Products
(2 results)