2018 Fiscal Year Annual Research Report
Longitudinal Survey on R&D and New Product Development III
Project/Area Number |
15K03674
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
濱岡 豊 慶應義塾大学, 商学部(三田), 教授 (60286622)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | イノベーション / 研究開発 / 経時的アンケート調査 / 情報システム / マーケティング・リサーチ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、2007-10、2011-14年に続いて4年間、研究開発に関する調査、製品開発に関する調査を行ってきた。2014年度までは上場企業を対象として、毎年二つの調査を行ってきたが、2015年度からは、非上場企業も対象に加える代わりに、二つの調査を一年毎に行うこととし、本年度は製品開発に関する調査を実施した。 上場企業に限定してトレンド検定を行ったところ、「製品開発についての調査」(通算11回)については、設定した250項目のうち、2007年から2018年のトレンド係数が有意となったのは27項目であった。変化した項目からは「市場の変動の低下」「ユーザーとの関係の変化」「開発プロセスでの情報収集活動の低下」「製品の複雑化」「社会での公募、情報共有の低下」などの問題が重要化していることがわかった。 本研究ではオープン・イノベーション(OI)について、成果の規定要因に関する理論的枠組みを提案したが、これを昨年までに収集した研究開発に関する調査の結果を用いて検定した。この結果、「OIのための外部技術探索・提供」の整備がInbound OI、outbound OI成果に正の影響を与えるが、この制度が未発達な企業が多いことがわかった。 また、新製品の開発成果に関して、「情報システムおよび既存手法の利用状況」「外部環境要因」「企業の内部要因」「製品開発プロセス要因」「製品の特徴」が影響を与えるという理論的枠組と仮説を設定した。2018年度までの調査結果を分析することによって、新製品開発ツールの利用状況が、5種類に分類されること、ここ4年間で、より積極的に利用されるようになったことを明らかにした。さらに、製品開発ツールのうち「全体的に積極的に利用」することが、次期の「新製品開発スピード」を向上させるが、「製品の品質」「製品の革新性」には影響しないことを明らかにした。
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