2015 Fiscal Year Research-status Report
造船産業の逆襲の競争戦略─成熟期・衰退期・再成長期を乗り越える競争戦略
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15K03676
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Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
加藤 寛之 国士舘大学, 経営学部, 准教授 (10410888)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
具 承桓 京都産業大学, 経営学部, 教授 (20367949)
向井 悠一朗 高崎経済大学, 経済学部, 講師 (40738514)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 競争戦略 / 造船 / 製品ライフサイクル / 成熟期・衰退期 |
Outline of Annual Research Achievements |
おおむね順調に研究が進展した。初年度として、海事図書館でデータをアップデートし、中手造船会社の代表である常石造船に二度ヒアリングし、舶用エンジン部品メーカーのマキタの工場見学を行った。 加藤は波方(なみかた)と呼ばれる瀬戸内海近隣に居住する船主たちの実態調査を進めようと準備を重ねている。国内造船所の強固は基盤である国内顧客のうち、3分の2以上のシェアを占めながらも、実態のいまだ明らかになっていない波方船主の実態(どのような行動原理で行動しているのか当に関する要因調査)を明らかにすることは、国内造船所がいまだ強力な顧客基盤を有していることの補佐的な証拠になりうると思われ、この調査の意義は大きいと思われる。 具は韓国と中国の部品メーカーの集積について調査を進めた。また、向井は今までの調査をアウトプットに結び付けるための活動を積極手に行った。具体的には、日本経営学会で「非高付加価値市場における日本企業の優位性」というタイトルで、また深化経済学会で「近年の造船産業の非雁行形態的進化」というタイトルで発表した。また日本経営学会誌に、「設計組織による製品アーキテクチャの改変」というタイトルで査読論文を掲載した。 本研究の主眼は、日本の造船産業が雁行形態論の想定通りに衰退せず、成熟期、衰退期を経て再成長期にも再び競争力を保持しているその背景の論理を探ることにあり、その点、初年度はおおむね順調に調査が進展してきているということができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者、研究分担者ともに、研究の進展があった。加藤は国内造船所の状況に関するヒアリングにもとづく詳細な内容をインプットすることができた。向井は造船産業に関する複数の業績をあげることができた。具もまた、製造業における業績をあげることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も精力的に国内造船所のヒアリングを続けていく。また、併せて、海外調査も実施する予定である。
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Causes of Carryover |
物品購入費の消化率が低いのは、物品調達に時間がかかったため、年度をまたぐ扱いとなったためである。また,同様に旅費の執行がないのは、年度末から四月にかけての出張となったため、旅費精算が四月以降となったためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品調達も問題なく進み、予定通り海外調査を行う。
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Research Products
(10 results)