2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K03685
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
臼井 哲也 日本大学, 法学部, 准教授 (60409422)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 新興国市場 / 資源ベース / ダイナミック・ケイパビリティ / リソース・リポジショニング / 企業特殊優位 / 価値実現 |
Outline of Annual Research Achievements |
新興国市場のさらなる拡大は未曽有の市場機会を日本企業にもたらしている。日本企業は如何にして新興国市場(中間層)において価値創造を実現し競争優位を獲得するのだろうか。新興国市場開発に関する研究は過去10年活発に行われてきたが,未だ統一的な見解はなく理論化の途上にある。本研究の目的は,この作業仮説を実証し,日本発の新興国市場戦略の一般理論を開発することにある。本年度は,長年研究を重ねてきたオリジナルの分析フレームである「リソース・リポジショニング・フレーム(RRPフレーム)」を研究論文として公刊した。RRPフレームは帰納的,演繹的な方法論に基づき構築された命題の塊である。本フレームが固まったことにより,変数の操作化を伴う仮説実証のフェーズへ移行することができる。本年度,その入り口に到達したことが最大の成果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概要にて示した通り,本研究の基本フレームが定まったことにより,今後の仮説検証型実証研究へ歩を進めることができる。本年度には企業ケースのデータ収集にも時間を費やした。すでに2社のケースデータを収集済みであり,国内学会誌2誌へそれぞれ投稿している。
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Strategy for Future Research Activity |
ケーススタディにより仮説実証を行う。すでに流通系企業2社に関するケース分析論文を学会誌へ投稿している。本年度はさらにクロスセクションデータの収集に努め,実証を積み重ねる。現状では比較ケース分析が方法論としては適しているが,その後は大規模な定量データによる実証にチャレンジしたい。
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