2015 Fiscal Year Research-status Report
企業合弁、企業合併・買収、完全子会社の経営特質の国際比較
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15K03693
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Research Institution | Aichi University |
Principal Investigator |
星野 靖雄 愛知大学, その他の研究科, 教授 (00096744)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 日系子会社 / 親会社 / マレーシア / 日本 / 米国 / 収益性 / 経営指標 / 売上高成長率 |
Outline of Annual Research Achievements |
1 全世界の上場企業のデータベースであるビューロー・ヴァン・ダイク社の OSIRISデータベースより,マレーシア,日本,米国の3か国での2008年より2012年まで小売業企業134社の財務特性の比較分析をした。日本企業の収益性は低いが,売上高成長率は3か国で一番高いことが示された。また、マレーシア企業の収益性が最高であることも統計的な有意差があり実証された。 2 東洋経済新報社の海外進出企業総覧国別編の2005-2009年までのマレーシアに進出している日系子会社270社のデータを分析した。結果は,親会社の日本での営業経験,子会社の国際経験は子会社の収益性に正の効果をもたらし,親会社の売上高利益率や従業員一人当たり純売上高は子会社の収益性と正の関係があることが、統計的有意差があり示された。 3 日本、マレーシア、米国、カナダ、ブラジル、タイ、インドネシア、中国,インド、オーストラリア、ケイマン諸島の11カ国・地域における小売企業の312社の2008-2012年の企業特性を分析した。ブラジルとタイ間でのROE、日本、カナダ、タイ、オーストラリア間での自己資本比率では、統計的有意差があり、日本企業の収益性は、ROAでは、インドを除き、ROEではインドとブラジルを除けば最低であることも指摘できた。また、全体として、売上高成長率と収益性は正の関係があることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データベースの取得と分析対象企業、変数の選択と統計的な分析の結果を論文に記述し、学会での発表と学術誌への掲載がおおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、第1に分析対象の業種と国・地域の拡大をはかるとともに、企業数、変数のさらなる増加によりと、より精密な仮説の構築と実証を図るものである。第2に研究協力者のいるパキスタン、マレーシア、ニュージーランドにおけるより詳細なアンケート調査を実施して、企業特性の実態の分析をする計画である。第3に、企業行動の特性の分析に、CSRの比較分析をを行い、企業合弁、企業合併・買収、完全子会社の経営特質への影響を分析する予定である。
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Causes of Carryover |
経営行動科学学会第18回年次大会を勤務先であった愛知大学で大会運営委員長として準備・運営をはかることになり、海外での調査研究の予定を次年度に執行することになったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
海外調査研究と、データベースの使用料に充当する計画である。
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