2017 Fiscal Year Annual Research Report
The Design Strategy of Hyundai-Kia Motors: A Historical Research on the Nature and Evolution of Customer Value Creation
Project/Area Number |
15K03698
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
崔 裕眞 立命館大学, テクノロジー・マネジメント研究科, 教授 (20589725)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
延岡 健太郎 一橋大学, 大学院商学研究科, 教授 (90263409)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | デザイン・マネジメント / ブランド・マネジメント / 歴史分析 / 自動車 / 顧客価値 / 新商品開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は韓国の現代・起亜自動車および日本のマツダの新商品開発と価値創造に分析の焦点を当て、グローバル自動車メーカーのデザイン(とくにスタイリング)とブランドマネジメントについて新たな知見を追求した。主な研究実績については、次の3点に整理出来る。第一に、後発メーカーとしての現代・起亜のグローバル競争戦略において、新商品のスタイリングから価値創造を顧客にアピールする戦略的特性は、最近の動向ではなく、企業創立の初期から必然的要素であったことが歴史分析で実証された。第二に、マツダのKodoコンセプトによるデザイン主導戦略の展開から、スタイリングに明確な哲学と方向性を明示することから、商品開発におけるベクトルが収斂されると共に、顧客価値の概念も明確になった事例研究が進展した。第三に、自動車製造技術、とくに要素技術における標準化が進む中で、科学と工学技術を基盤とする機能的価値だけでは、メーカーの戦略的ブランドマネジメントが難しくなっていることを日韓両国のメーカーの研究から再確認し、今後の価値創造のフレームワークとして、延岡教授のSEDA Model (Science, Engineering, Design, Art)の精緻化を進捗することが出来た。 上記三点の実績に加えて、本研究を通しての最大の収穫は、顧客価値の創造というイノベーションの本質に直結する企業経営活動を自動車のデザインとブランドという視座から歴史的に考察出来たことであり、さらにSEDA Modelというフレームワークの今後のさらなる高度化の方向性について多くの示唆点を得たことである。
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