2018 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15K03701
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Research Institution | Osaka University of Economics |
Principal Investigator |
本間 利通 大阪経済大学, 経営学部, 准教授 (90461128)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 組織コミットメント / 職業コミットメント / 専門職 / 役割コンフリクト / 意思決定 / コンプライアンス |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、組織コミットメント及び職業コミットメントが専門職としての行動にどのような影響を与えるのかを評価するために①意思決定プロセスのモデル化に関する文献収集②組織コミットメント及び職業コミットメントがもたらすコンフリクトの整理③自律的行動に関するアンケート調査④専門職として行う行動の意思決定要因の検討を行った。特に、組織コミットメントと職業コミットメントの高さが役割コンフリクトをもたらすとの想定に基づいて、意思決定要因の検討を行った。 組織コミットメント及び職業コミットメントが離職に対して負の影響を持っていることは2015年及び2017年のデータから確認することができたが、専門職としての行動については組織コミットメントの情緒的側面が強い影響を持っているが、組織コミットメントの存続的要因については一貫した影響は見いだせなかった。職業コミットメントも同様に、情緒的要因については明確な影響を見いだすことができなかった。存続的な要素、すなわちコスト・ベネフィットに関する認識の測定に課題があるために、明確な影響を見いだすことができていないと本研究は考える。この課題を解決することが、役割コンフリクトの低減のための枠組みを提供することになり、専門職に対する人的資源管理施策が抱える課題解決になる。 専門職が、専門職としての行動を行う際に、役割コンフリクトは発生する。役割コンフリクトの低減については、組織コミットメントと職業コミットメントのマネジメントに関する問題として捉えることが適切であり、コミットメントの複数の次元を認識する必要がある。2018年に行った自律的行動に関するアンケート調査、2015年のデータの再分析及び、文献調査に基づいて、コミットメントを複数の次元から構成されるものとして捉えるアプローチが有効であることについて示した。
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