2017 Fiscal Year Research-status Report
キャリア初期および中期のデベロップメンタル・ネットワークの構築に関する実証研究
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15K03708
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Research Institution | Otemae University |
Principal Investigator |
坂本 理郎 大手前大学, 現代社会学部, 准教授 (40449864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西尾 久美子 京都女子大学, 現代社会学部, 教授 (90437450)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | デベロップメンタル・ネットワーク / メンタリング / OJT / 職務特性 / キャリア初期 / キャリア中期 / 造船業 / 看護師 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初計画にはなかったが、本研究に関心を持った四国地方にある大規模公立病院が、入職10年目の中堅レベルの看護師を対象とする定性的調査を受け容れてくださることが急きょ決まった。これは願ってもない好機であったが、当方および先方の準備の都合があり、調査実施時期を平成29年度末から平成30年度として実施することとなった。このため、当該事業を平成30年度まで延長することを申請して認められた。 平成29年度は、この調査の対象者の選定や日程調整、事前調査票の作成および送付などを行った。また、全体の調査対象者のうち約半数(17名)について、年度末の3月に調査を行った。残る対象者の調査はJ次年度9月に実施予定である。この調査の結果を整理したうえで、これまでに実施した造船企業でのデータと比較・分析をすることによって、職務特性がキャリア初期および中期のデベロップメンタル・ネットワークの形成に与えている影響について、多角的かつより一般化して検討することが期待できる。 なお、造船企業における中堅従業員や上司層を対象とした新たな調査は実施しなかったが、これまでの調査から得られた定性的データの分析も開始した。 一方、これまでに実施した造船企業2社のキャリア初期の造船技能職・事技職を対象とした調査結果については、今年度末に日本労務学会誌に投稿した論文の採択が新たに決まった(平成30年度中に掲載予定)。これも含め、これまでのデベロップメンタル・ネットワークに関する研究成果を、書籍など1つに統合する準備も始めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
キャリア中期を対象とした新たな調査は行わず、造船企業2社の調査で既に得られたデータのみを用いる方針としていたが、上述のとおり公立病院に勤務する中堅看護師を対象とした調査が可能となった。この調査が今年度中に完了できていれば良かったのであるが、次年度まで延長となったため「やや遅れている」と判断した。 しかしながら、造船技能職のみならず病院看護師を対象とした調査を行うことによって、職務特性がキャリア初期および中期のデベロップメンタル・ネットワークの形成に与える影響について、より多角的かつ一般化した議論が可能になると期待している。
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Strategy for Future Research Activity |
公立病院中堅看護師を対象者(約30名前後)とした調査は、平成30年9月中に完了する予定である。まず、ここから得られたデータの分析は早急に行いたい。ただし、これまでに造船企業で蓄積したデータとの比較・分析および統合した成果の発表については、来年度以降、本事業が終了してからにずれ込むものと予想される。 同時に、本事業を含め、研究者がこれまでに実施してきた(および今後実施する)キャリア初期および中期のデベロップメンタルネットワークに関する研究の成果については、書籍にまとめる準備を始める。この際、書籍に掲載する研究成果を企業に勤務する者を対象としたものに絞るのか、それとも公立病院に勤務する看護師を含めた調査にまで広げるのか、今後行う調査の結果を基にしながら慎重に検討したい。つまり、あくまで日本の製造企業内の作業組織に領域を限定するのか、より広く日本の経営組織全般に議論を広げるのかである。
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Causes of Carryover |
既述のとおり、新たに生じた調査のために当該事業を延長し、その経費の残額を次年度に使用することとした。また、今年度に購入予定だった定性データ分析ソフト(MAX-QDA2018)の購入が次年度にずれ込んた。
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