2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K03711
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Research Institution | Japan University of Economics |
Principal Investigator |
鈴木 浩 日本経済大学, 経営学部, 教授 (60638592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 裕子 国立研究開発法人科学技術振興機構, その他部局等, フェロー (20360711)
池田 佳和 大谷大学, 文学部, 教授 (20516687)
小松 康俊 日本経済大学, 経営学部, その他 (50545663)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | エンジニアリング / イノベーション / メタエンジニアリング / 普及啓発 / モデル実証 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、従来型のエンジニアリングでは限界を見せ始めているイノベーション創出のために、技術経営としての方法論を検証実装することを目的としている。方法論としては、研究代表者らが日本工学アカデミーで提唱した根本的エンジニアリング(以下メタエンジニアリング)の概念を対象とし、理論の体系化を行う。 本研究の目的は、理論の完成度を高め、モデルの検証、実際のイノベーション分野への適用に耐えうるものとすることにある。メタエンジニアリングの学理としての具現化、イノベーション創出法のマニュアル化、専門書作成を図る。本成果は、科学技術イノベーション創出に悩む企業、官界、大学研究者に新たな方策やよりどころとして提示され、我が国の喫緊の課題であるブレイクスルー型イノベーションが創出される素地を形成する。 当該年度は、その目標のうち、メタエンジニアリングのモデルについて深堀を進め、モデルの検証を行った。その成果は、日本経済大学大学院紀報、学会論文、講演の場において広く広報した。また、メタエンジニアリング概念の普及啓発に向けて、企業へのコンサルテーション、大学での講義、ワールドカフェなどにおけるアウトリーチとして実施した。JST主催の第10回サイエンスアゴラの場においても、若者を集め、メタエンジニアリングの実践を行い、多くの気づきを生み出した。このイベントは当初、来年度に計画していたが、研究の進み具合が順調のために前倒しで実施できた。 来年度に向けての、エンジニアに対する意識調査の準備を行い、また来年度実施予定の国際シンポジウムを計画した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
全体の計画としては、メタエンジニアリングの提唱、モデル検証、エンジニアに対するイノベーション意識調査、普及啓発のための若者向けアウトリーチ、企業向けコンサルテーションン、学術的・国際的展開のための国際シンポジウムの実施があげられている。 メタエンジニアリング提唱とモデル検証が順調に進み、国立科学博物館根行われてきた産業技術の技術革新具体例を中心として、メタエンジニアリングによる分析が行われ、その成果を日本経済大学大学院紀要に報告することができた。また、メタエンジニアリングを進めるのに必要な「場」の概念についても深堀が行われ、同じ出版物に論文として発表した。モデルの検証が進んだことから、海外の学会(PICMETとHISTELCON)に2件の独立した論文を発表し、国際的な議論を行うことができた。 また、当初は次年度に予定していた若者向けワールドカフェを、JST主催第10回サイエンスアゴラの場で「未来社会をデザインする」というテーマで実施することができた。これは、若者を中心とするNPO法人ZESDA(日本経済システムデザイン研究会)の協力を得て幅広く一般の方を集めて行われた。この場では、メタエンジニアリングの考えかたの有効性が実証できた。 エンジニアに対するイノベーション意識調査については計画通り、当該年度に準備が行えた。 これらの研究進捗状況から判断して、上記の評価(1)とした。
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Strategy for Future Research Activity |
H27年度成果を踏まえ、より具体的な分野へのメタエンジニアリングの方法論適用を具現化する。新産業創出、環境分野、社会システム技術の系統化を対象とする。 技術系企業約10社のエンジニアへのアンケートによりイノベーション意識調査を実施する。ここでは日本経済大学大学院の研究員1名を研究協力者として採用する。 メタエンジニアリングの概念のアウトリーチ法とし引き続き若手向けワークショップを開催し、科学技術コミュニケーションを図る。メタエンジニアリングの概念の具現化プロセスを海外の学会に発表し、グローバルな視点での方向付けを行う。メタエンジニアリング概念の啓発のために事例集をとりまとめ、大学での講義教材とする。 最終年度までに、海外のイノベーションにかかわる実務者を招待し、我が国において国際シンポジウムを開催する。又、最終年度には、メタエンジニアリングの具現化研究のまとめを行う。
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Causes of Carryover |
エンジニア向けのアンケート調査の準備が若干遅れ費用が発生しなかった。また、アウトリーチの方法としてのワールドカフェをJSTのサイエンスアゴラの場で実施したためにその費用が減額できた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
アンケートの準備と実施を行う。海外での論文発表は前倒しに実現できたので、我が国において国際シンポジウムを予定より前倒しで実施する。教科書の発行を加速する。
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Remarks |
メタエンジニアリングの紹介を行っている。日本語と英語版が存在する。ホームページの中で、ビデオによるメタエンジニアリングの紹介を日本語と英語で行っている。
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Research Products
(8 results)