2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K03711
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Research Institution | Japan University of Economics |
Principal Investigator |
鈴木 浩 日本経済大学, 経営学部(渋谷キャンパス), 教授 (60638592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 裕子 文部科学省科学技術・学術政策研究所, その他部局等, 室長 (20360711)
池田 佳和 大谷大学, 文学部, 教授 (20516687)
小松 康俊 日本経済大学, 経営学部(渋谷キャンパス), 特任教授 (50545663)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | メタエンジニアリング / 教育活動への実装 / メタエンジニアリングの場 / 技術者のスキルアップ / ジオパーク / 技術の系統化 |
Outline of Annual Research Achievements |
2016年7月、沖縄県那覇市で開催された国際シンポジウムICEE2016におけるパネル討論“Engineering the Future”に本研究の研究成果を報告した。 情報通信の技術史においてメタエンジニアリングの事例調査をおこなった。特に戦時に暗号生成メカニズムが発達した一方で、暗号解読方式において重大なイノベーションが生まれている。戦争という国家存亡の危機においては、商業製品の発明とは桁違いのMECIサイクルが発生しており、結果として重要な革新的情報技術が多数生まれた。調査資料をまとめて電子書籍教材を作製し、学部学生に情報技術イノベーションの歴史を教授した。 国立科学博物館の技術の系統化の現在までの歴史を振り返り、今後のあるべき姿を論じるべく、シンポジウムを開催した。また、電気学会の電気技術史研究会で、過去の系統化で取り上げたテーマのいくつかについて、ダイジェスト版を報告させ、全員で議論した。これらの中から日本の技術開発の特長についての知見を得た。 これまでの調査分析により、メタエンジニアリングの「場」はイノベーション創出に重要と推定されたことから、平成28年度は、「場」の一つである職場環境に着目し、技術者のスキルアップにおける職場の支援状況について調査した。分析の結果、従業員数の多い企業ほど技術者のスキルアップを支援し、支援の内容として「費用負担」の割合が大きいことが示された。 地域イノベーション創出のためのジオパーク活動において重要な役割を果たしていると考えられる、主に地方行政機関で雇用されているジオパーク専門員の実態を解明するため、全国36ヶ所の日本ジオパークで網羅的なアンケート調査を実施した。その結果、多くのジオパークで専門員は行政に留まらない多様な役割を担っているが判明した。予備的な結果を昨年10月に開催した日本ジオパーク大会にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特に目立った遅れはなく、おおむね予定通りに進捗している。 2017年度に計画した国際シンポジウムは、進捗が進んだことから前倒しに2016年度に実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの成果を海外で開かれる国際会議PICMET2017に報告し、意見を求める。 これまでの講義実績等を反映して、情報通信技術史についての電子書籍とスライド集の充実と改訂をはかり、将来ウエブで公開することを推進する。また、電気学会の教育分科会に参加して、「電気の知識」教材の改善と普及活動に貢献する。 技術発展、就中ブレイクスルーに関係する要因についての整理・分析を試みる。特に、その中でセレンディピティによるものに注目し、事例収集とその類型化を為し、今後の技術政策の中にセレンディピティを積極的に生かす方策について検討する。 2017年度は、前年度に実施した技術者のスキルアップに関する調査結果の詳細分析を実施し、得られた結果を基に、メタエンジニアリングに影響を与える要因の抽出及びその効果を明らかにする。 地域イノベーションに関しての昨年度の調査結果を論文としてまとめるとともに、より詳細な実態解明のため現地訪問し、ヒアリングを実施する
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Causes of Carryover |
2017年度で計画していた国際シンポジウムが、研究成果の加速により、沖縄にて2016年7月に前倒しで実施された。次年度においては、国際シンポジウムの計画はなくなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本科研費の最終年度となり、その成果を国際会議で報告する。また、2016年度に実施したイノベーションに関する意識調査の予備調査に基づき、本調査を実施する。また、2015、2016年度に作成した教科書に基づいたメタエンジニアリング教育を実施する。技術の系統化調査も引き続き実施し、メタエンジニアリングの実証を行う。
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Remarks |
メタエンジニアリング研究所の活動の紹介をしておりその一部が本科研費によるものである。
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Research Products
(11 results)