2016 Fiscal Year Research-status Report
中小製造企業の自主独立型企業への変身のための競争力強化獲得メカニズム研究
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15K03712
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Research Institution | Japan University of Economics |
Principal Investigator |
櫻井 敬三 日本経済大学, 経営学部(渋谷キャンパス), 教授 (30592448)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 独立型中小企業 / ベンチャー企業 / FFE活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度に引き続き国内外インタビュー調査を予定しほぼ実施できた。2年度はすでに自主独立型中小企業である企業を中心にインタビュー調査を行なった。技術水準が高い企業へのインタビュー調査として、日本発明振興協会の発明大賞を受賞した中小製造企業を対象として実施した。直近の7年間の受賞企業28社の内11社からインタビュー調査の快諾を得て実施した。また、海外の中国国内における地場中小製造企業(起業して間がない技術で起業したばかりのベンチャー企業)を国内中小製造企業と比較研究するためにインタビュー調査を実施した。具体的には中国(上海、南京、深せん)で10社を訪問した。さらに比較のため国内のJapan Venture Awards 2016年受賞企業から4社のインタビュー調査を実施した。したがって全体で25社のインタビュー調査を実施できた。初年度分も合わせると国内外で57社のインタビュー調査を実施したことになる。 なお、研究途上ではあるが、本研究分野であるファジーフロント活動についての学術図書出版を出版し、2回講演(国内外各1回ずつ)を行った。本研究の中間発表として1回学会にて講演し、さらに1回学会発表を行った。なお査読論文2本もある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究期間3年間で48社インタビュー調査予定であったので、すでに2年間で57社訪問しており、訪問企業数では計画を越えている。ただし、インタビュー調査した企業が、起業当初から自主独立型企業である場合が多く、起業当初、下請型や自立下請型から自主独立型への変遷をたどった企業インタビューが少ないので初年度にも記載したが下請型から這い上がって自主独立型中小製造企業への訪問を今後していく。
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Strategy for Future Research Activity |
当初想定していたパターンの下請型⇒自立下請型⇒自主独立型の変遷をする中小製造企業が少ないことが明らかになってきた。また、中国の中小製造企業との比較においてもその傾向があることが判明しつつある。現在まだ仮説のレベルだが、上記変遷をたどる中小製造企業は極少数であり、①当初起業から自主独立型か、②次世代起業(2代目や3代目社長)からドラスチックに自主独立型に変容するケースが多いことがわかってきた。また③日本の伝統的老舗企業の一部に、第二次世界大戦後を生き抜くための便法として一時期、緊急避難的に下請型対応をした形跡がある。したがって一連の流れの変遷が明確化できるかがこれからの研究の中心をなすと考えている。したがって、当初3年目前半に予定していたアンケート調査は中止し、新たな知見を検証するためのデータ収集(含む文献調査、インタビュー調査の継続等)とその検証(過去インタビュー調査した企業の再インタビュー調査実施)を行う予定である。
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Causes of Carryover |
一回の出張で多数の企業インタビュー調査ができ、出張回数が少なくてすみ未使用額が多くなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後の研究の推進方策にも記載したとおり、過去インタビュー調査した企業へのさらなる入念なインタビュー調査を企画しており、未使用分を有効に使用する予定である。
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