2017 Fiscal Year Annual Research Report
The study on the mechanisms of enhancement of competitiveness of Independent management of the Small and Medium-sized Manufacturing Companies
Project/Area Number |
15K03712
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Research Institution | Japan University of Economics |
Principal Investigator |
櫻井 敬三 日本経済大学, 経営学部(渋谷キャンパス), 教授 (30592448)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 自主独立型中小製造企業 / 競争力強化獲得メカニズム / 企業間相互依存関係 / 自前コア技術 / 自社周辺技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究目的は中小製造企業が下請から自立型下請(価格交渉可能)、さらに自主独立型企業(自前開発・親企業依存せず)へ移行する下請脱皮過程を競争力の源泉となる生産・技術・対応・提案の各観点から分析し、①親企業への服従、②差別化技術の獲得、③新顧客・市場創生(含む海外進出)の時系列的変遷から競争力強化獲得メカニズムについて、インタビュー調査を基に明らかにすることである。この3年間で62社の日本の中小製造企業(国内外)を訪問した。その結果、自主独立型企業への変身には①取引先企業との相互依存関係の構築、新技術醸成には②製造技術力、新価値創造の③集積技術力と④実用化技術力と⑤新たな革新技術力が必要であることが判明した。また①~⑤は、対象業種(自前コア技術)により、いずれを強化すれば良いか、またどのような内容か、時系列的観点での注意事項も明確化できた。なお、取引先である親企業との付き合いとは別に、自社周辺技術を支援する中小企業の存在が重要であることが判明した。産学官との結びつくでは学・官より民間中小企業間ネットワークが重要なことがわかった。また、当初考えていた下請企業→自立型下請企業→自主独立型企業の流れではなく、市場適応ではなく市場創造を志向している中小製造企業の経営者やその取引関係のある周辺企業が自主独立型企業であると自主独立型に向かう傾向があることがわかった。要はジリ貧産業群での取引に邁進する企業ではなく、発展可能性のある産業群での取引が重要で、そのきっかけは、2代目・3代目による次世代再起業や企業間情報交換による刺激型再起業が有力で、上記の競争力源泉の4項目は2次的要素であることもわかってきた。なお、起業当初から下請型志向の中小製造企業からはなかなか自主独立型企業への脱皮が難しいことも明らかになった。このことは日本の親企業の下請政策がうまいためと考えられる。
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