2017 Fiscal Year Annual Research Report
A study on the ratio of family business in listed companies and their impact on business performance
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15K03713
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Research Institution | Japan University of Economics |
Principal Investigator |
落合 康裕 日本経済大学, 経営学部(渋谷キャンパス), 准教授 (70740679)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ファミリービジネス / 財務指標 / 経営行動 / 上場企業 / 業績優位性 / ガバナンス |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、上場ファミリービジネスの経営行動の特徴について、東京証券取引所第一部をはじめ地方・新興市場の上場企業約4,000社の有価証券報告書データに基づいて分析・考察を行った。今回の分析は、本研究の初年度にあたる平成27年度において発刊した『ファミリービジネス白書2015年度版:100年経営をめざして』(同友館出版)で分析した5年間の測定期間に加え、2年分の業績データを追加して行われた。 今回の分析では以下の二点の新たな切り口から分析を行った。第1は,業績比較と株価パフォーマンスの分析である。分析の結果、『ファミリービジネス白書2015年度版』の分析と同様、ファミリービジネスの一般企業に対する業績と株価における優位性が確認された。これは証券・金融機関も大きな関心を寄せるテーマである。第2は,経営者の経歴などが業績に与える影響の分析である。ファミリービジネスの業績優位性を支える要因として、経営者の在任期間の長さが一定の影響を与えている可能性を示唆した。今後の研究課題としては、次の二点を考えている。第一に、測定期間の更なる延長による分析である。長期間のデータの蓄積に努め、経営環境の変化を踏まえた分析を行っていきたいと考えている。第二に、経営者の在任期間の長さ以外のファミリービジネスの業績優位性に影響を与える要因の更なる探究である。本要因が明らかにされることで、理論的示唆だけではなく一般企業に対して実践的示唆を提供できる。 尚、本研究成果については、『ファミリービジネス白書2018年度版:100年経営とガバナンス』(白桃書房出版)でまとめられ、平成30年5月に刊行することができた。本研究期間(3年間)において、学会発表をはじめ、二回もの商業出版を実現したことは大きな収穫であったと考えている。
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Research Products
(2 results)