2017 Fiscal Year Research-status Report
| Project/Area Number |
15K03723
|
|---|
| Research Institution | Keio University |
|---|
Principal Investigator |
白井 美由里 慶應義塾大学, 商学部(三田), 教授 (10303067)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
| Keywords | 消費者行動 / テンシル価格訴求 / 価格と値引きのフレーミング / 高品質低価格訴求 / 意味的手がかかり |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度に行った研究は、次の四つである。一つ目は、テンシル価格訴求に関する研究で、この訴求に対する消費者の知覚に小売業態タイプが影響を与えるかどうかを調べるものである。対象とした業態は百貨店とディスカントストアである。業態間の比較分析をした先行研究はあるが、本研究ではさらに、品揃え、価格、品質などの業態イメージも含めたより詳細な分析を行った。前年度に作成した調査票を用いて調査を実施した。データ分析の結果、業態と業態イメージによる違いはなかったものの、テンシル価格訴求広告と小売業態が適合しているかどうかという知覚適合度が、セービングや価格の知覚と買い物意図に影響を与えること、およびこの関係が業態によって異なることを明らかにした。二つ目もテンシル価格訴求に関する研究で、製品特性（快楽的消費、実用的消費）と情報探索価値やリアクタンス性向などの消費者特性のモデレーター効果を分析した。調査を実施し、データ分析した結果、それらが有意なモデレーターであることを明らかにした。続いて、この研究結果を英文論文としてまとめた。三つ目は、価格と値引きのセービング情報のフレーミングに関する研究で、先行研究のレビューから研究課題を整理し、仮説を検討した。次に調査を実施し、データ分析した結果、これらのフレーミングはセービングの知覚や購買意図に影響を与えること、価格意識や認知欲求などの消費者特性がフレーミングと品質知覚の関係のモデレーターであることなどを明らかにした。続いて、過去に行った先行研究のレビューに、より最近の研究を加え、英文論文としてまとめた。四つ目は、高品質低価格という意味的手がかりに関する研究で、研究課題を整理し、対象とする課題について仮説の設定と実験デザインを検討した。また、この研究に含める概念に関する先行研究のレビューも行った。この研究の調査は次年度に実施する予定である。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は計画通りに進められたが、予定していた国際学会での研究報告が公務と重なりキャンセルしなければならなかった。
|
| Strategy for Future Research Activity |
これまで行ってきた研究を継続するとともに、新しい研究としてパッケージサイズに関する意味的手がかりに焦点を当てた研究を行う予定である。サイズと消費者行動の関係を分析した先行研究は多数あるが、このような研究は行われていない。先行研究のレビューはある程度終えている。また、次年度は複数の国際学会で研究報告を行う予定である。
|
| Causes of Carryover |
今年度は、予定していた国際学会での研究報告が公務と重なりキャンセルしたため、その費用が残額となった。次年度は複数の国際学会にて研究報告をする予定であり、さらに計画している調査費用や謝金を考慮すると、次年度分と合わせた助成金は全て使い切る予定である。
|
