2017 Fiscal Year Annual Research Report
An Empirical Study of Business Succession and Capital in Retailing.
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15K03724
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
柳 到亨 和歌山大学, 経済学部, 教授 (00437451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 斉理 法政大学, 経営学部, 教授 (70461126)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 事業継承 / 地域コミュニティ / 個人技能 / 関係技能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日韓の小売商業における「事業継承」と「地域コミュニティ」の因果関係を解明することである。事業継承を通じて、「個人技能」・「関係技能」という市場で取引困難な財が商人に蓄積されると推測できる。このような「個人技能」および「関係技能」は、「地域コミュニティ」をより活性化する重要な原動力であることを実証分析で明らかにしようとするものである。 本研究の学術的な特色または独創的な点は大きく3つである。第1に、日韓比較研究を通じて、「事業継承」、「個人技能」・「関係技能」、「地域コミュニティ」の因果関係を明らかにし、日本商業の特殊性を示すことである。第2に、商業・流通政策の研究において近年の重要な研究領域でありながら理論の射程外であった「事業継承」と「コミュニティ」あるいは「商人家族とコミュニティ」という現実の動向にも何らかの理論的な根拠を示すことである。第3に、東アジア諸国を対象にした質的・量的調査から得られたデータが長期間にわたって蓄積しており、将来に向けた商業・流通研究の資産になる点である。 本年度は、韓国ソウル市・釜山市の行政担当者や商店経営者へのヒアリング調査を実施したうえで、日韓の地域型商業集積の商店経営者を対象にした質問票調査の分析を行った。 つぎの2点で、分析結果をまとめることができる。第1に、慎重な解釈が必要ではあるが、子どもに事業継承をさせる場合、資産(=「商権」、「不動産」)についての重要度は、韓国の商店経営者が日本の商店経営者より高いという傾向がみられる。第2に、個人技術(=商品取扱技術)および関係技能(=顧客関係、取引先関係、地域コミュニティ)においては、日本の商店経営者が韓国の商店経営者のほうよりも重視する傾向が確認された。
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Research Products
(1 results)