2015 Fiscal Year Research-status Report
ニューロマーケティング研究に依拠した生体反応・心理反応・行動の関係の考察
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15K03735
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
熊倉 広志 中央大学, 商学部, 教授 (10337826)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ニューロマーケティング / 消費者意思決定 / 脳活動計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究においては、脳活動・心理反応・行動の一貫性・整合性を検討する。具体的な構成は以下の通りである。まず、(1)先行研究のレビューを行った後、(2)実験方法の改善などにより、研究方法の精緻化を図る。次に、(3)予備実験において、連続テレビ・ドラマに対する①脳活動を計測すると共に、②面談・質問紙調査により心理反応を言語的に測定し、③その後の当該ドラマの視聴行動を追跡する。さらに、予備実験での成果を踏まえて必要に応じて実験方法を修正した後、(4)本実験において、同様に、ドラマに対する①脳活動と②言語的な心理反応を測定し、③その後の視聴行動を追跡する。最後に、実験結果などに基づき、(5)考察と(6)実務的示唆の導出を行う。 平成27年度は、まず、(1)先行研究を改めてレビューした。その後、(2)研究方法の精緻化を図った。すなわち、脳活動計測法について改めて検討した。ここで、ヒトの脳活動を計測しようとするとき、複数の方法が利用可能である。各々に長所と短所があり、測定と解釈に際して、当該手法および機器操作などに関する固有の専門的知識が必要となる。このため、脳活動計測には参入障壁が存在し、測定方法変更の埋没費用は相当に大である。本研究においては、当初、EEG(脳波計測法)による脳活動計測を予定していたものの、NIRS(近赤外線分光法)・fMRI(機能的磁気共鳴画像法)などの他の測定方法についても採用を検討する機会を得た。そして、手法の検討を通じて、脳活動計測法について理解をさらに深めることができた。手法の検討にはやや時間を要したものの、より適切な測定方法を採用することにより、より良い成果を導出することが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
脳活動計測には複数の方法が利用されている。当初、EEGによる脳活動計測を予定していたものの、NIRS・fMRIなどの他の測定方法についても採用を検討する機会を得た。当初計画より進捗がやや遅れた背景として、(当初計画にはなかった)脳活動計測法を改めて検討したことによる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、EEGを含め測定方法をさらに吟味した後、当初の計画である予備実験を実施したい。具体的には、連続テレビ・ドラマに対する①脳活動を計測すると共に、②面談・質問紙調査により心理反応を言語的に測定し、③その後の当該ドラマに対する視聴行動を追跡する。
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Causes of Carryover |
当初、平成27年度において計測に必要な機器を調達する予定であったものの、当初の予定とは異なる複数の脳活動計測法について検討する機会を得た。そのため、当初計画していた機器等を調達し実験を行うための費用が繰り越されることとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度においては、27年度に予定していた予備実験(連続テレビ・ドラマに対する①脳活動の計測と②面談・質問紙調査により心理反応の言語的な測定、③その後の当該ドラマに対する視聴行動の追跡)を実施したい。
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Research Products
(3 results)