2017 Fiscal Year Research-status Report
「フードデザート」市場をめぐる既存・新規小売業態の競争プロセス分析
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15K03738
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
横山 斉理 法政大学, 経営学部, 教授 (70461126)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳 到亨 和歌山大学, 経済学部, 教授 (00437451)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | フードデザート |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、グローバル化・標準化が進む商業・流通が社会経済に与える影響を考察することである。そのための手掛かりとして、本研究では、近年、都心部や郊外部で発生している「フードデザート(=身近に生鮮食料品を購入できる店舗がないエリア)」に着目し、この新たに出現した市場をめぐる小売業を中心とした事業者間の競争プロセスを相互作用という視点から理論的・実証的に検討する。 平成29年度には、前年度に引き続き、本格的な定性調査を継続して実施した。当初の計画では、本年度には定量調査を行い分析を行う予定であったが、対象となる経済事象をめぐる状況の変化が想定よりもかなり激しく、現象を観察する時間を当初予定より延長したためである。当事者間の相互行為の輪郭は掴めつつあるものの、その知見はまだ研究成果として発表するには至っていない。その理由のひとつには、参加予定であった国際会議が相手都合によりキャンセルされたからである。ただし、定性的調査の結果から、あらためて国内マクロデータの収集および整理が必要であることが示唆され、その準備は今のところ順調に進んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
やや遅れている理由は3つある。第1は、研究代表者の身内の問題で想定通りの研究時間を確保できなかったことである。とくに、定性的調査におけるヒアリングのスケジュールを組むのが想定通りにはいかなかった。第2は、研究対象としている経済事象の変化が想定よりもかなり激しかったため、慎重を期して定性的調査を継続したことである。本研究は競争プロセスの分析が主となるため、定性的調査においては継時的な変化を追う必要があるが、その期間が想定よりも長くなっている。第3は、研究の途中結果の発表の場として想定していた国際会議が相手の都合によりキャンセルされたことである。そのために、研究の方向性の確認や再検討が遅れがちになっている。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度から行っている定性調査を継続しつつ、そこから示唆されたマクロデータの再整理を実施し、最終的には現象の(一部分の)定量的把握を試みる。当初計画では、このタイミングでマクロデータの整理を行う予定ではなかったが、研究を推進する過程で必要であることが認められたため、まずはこの作業に努力を投入する。その上で、実証モデルの構築および調査・分析を行う。そのために、代表者の横山と分担者の柳が緊密に連絡をとり、意見を出した上で進めていく。この間、これまでと同様に、専門家の意見や国内外の学会・研究会等で発表を行い、そこでのフィードバックを参考にしつつ、効率的に研究を推進する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、第1は、研究代表者の身内に不幸が生じ想定した研究時間が確保できなかったこと、第2は、研究対象の社会現象の変化が激しく定性調査に想定外の時間がかかり、かつ、定量調査の実施時期を慎重に見定める必要が生じたこと、第3は、参加予定であった2つの国際会議が運営主体の都合等によりキャンセルされたことである。 使用計画は、国際会議への参加費用、データ取得費用、国内出張に主として拠出予定である。
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Research Products
(1 results)