2016 Fiscal Year Research-status Report
ロジスティクス・クラスター創成のメカニズムに関する調査研究
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15K03739
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
李 瑞雪 法政大学, 経営学部, 教授 (20377237)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ロジスティクス・クラスター / 物流集積 / 物流サービス / イノベーション / 輸送ノード |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度において、前年度に続いて以下の地域でフィールド調査を実施した。韓国の釜山地域、中国の成都、臨沂、義烏、鄭州の4地域、日本の東京流通センター、計6地域である。九州北部地域と韓国釜山地域での調査内容を研究ノートにまとめ刊行した(李,2016b;李・金,2017)。この2篇の研究ノートでは、両地域のロジスティクス・クラスターの実態解明を通して、パイロット研究の帰納的推論(李,2014)の検証を行った。 パイロット研究の帰納的推論で示した、3つの組み合わせからなるロジスティクス・クラスター形成の規定要因は、いずれも九州北部と釜山の事例で確認できた。その一方で、クラスター成長のドライバーにロジスティクス・サービスのイノベーションが含まれるという点が新たに発見した。この点は平成28年度に実施したクラスター内流通企業・深せん星利源商貿物流社のケーススタディからも裏付けられた(王・李,2017)。 平成28年度に、中核的輸送サービスの開発とロジスティクス・クラスター形成との関係性を考察するために、「中欧班列」と呼ばれるユーラシア大陸横断鉄道貨物輸送サービスを対象に事例研究を行った(李,2016a)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2016年度では、1篇の論文、2篇の研究ノート、1篇のワーキングペーパーを刊行して、調査内容の整理と分析を進め、パイロット研究の推論の検証に取り組んだ。また、更なる検証と補完を目的に、釜山、成都、鄭州、臨沂、義烏、東京などの地域のロジスティクス・クラスターの現地調査を実施し、ロジスティクス・クラスター形成メカニズムを析出するために、幅広い基盤的な資料・データを準備している。
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Strategy for Future Research Activity |
2017年度では、前年度で積み残した研究ノートの作成を行うと同時に、さらにフィールドを増やし、ロジスティクス・クラスター形成メカニズム理論の構築と検証を続け、理論の完成を目指す。シンガポール国立大学、中国西南交通大学などの海外大学の共同研究を推進し、予定しているアンケート調査の実施に向けて、要素の抽出、質問票の設計、調査対象の設定、調査方法の検討など準備をしていく。
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Research Products
(7 results)