2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K03749
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Research Institution | Nagoya University of Commerce & Business |
Principal Investigator |
李 東俊 名古屋商科大学, 商学部, 教授 (40585197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 浩孝 静岡文化芸術大学, 人文・社会学部, 准教授 (10554058)
成生 達彦 京都大学, 経営学研究科, 教授 (80148296)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 流通 / イノベーション / チャネル間競争 / 価格競争 / 数量競争 / 競争優位 / 垂直的取引 / ロイヤルティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、生産者と流通業者から構成されるチャネルの垂直的な取引関係を念頭に置き、チャネル間で水平的な競争が行われる状況における、流通業者による(スピルオ-バ-をともなう)イノベ-ションについて検討することである。当該年度に実施した研究結果は既存研究のサーベイと生産者や流通業者によるイノベーションがチャネル間競争に及ぼす効果について分析している。研究成果は次の通りである。 1. Bertrand vs. Cournot Competition with Upstream Firm Investment, Bulletin of Economic Research Accepted 2015. 2. R&D Investment and Vertical Structure in Trade Policies, Journal of International Trade and Industry Studies, Vol. 21, No. 1, 2016. 3.Two Subcontracting Systems and Competitive Advantage, Firms' Strategic Decisions Vol. 1, Chapter 1. 4. Double-sided Moral Hazard and Margin-based Royalty, Firms' Strategic Decisions Vol. 1, Chapter 3.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、生産者と流通業者から構成されるチャネルの垂直的な取引関係を念頭に置き、チャネル間で水平的な競争が行われる状況における、流通業者による(スピルオ-バ-をともなう)イノベ-ションについて検討することである。当該年度に実施した研究結果は既存研究のサーベイとスピルオーバーを想定しない状況における生産者や流通業者によるイノベーションがチャネル間競争に及ぼす効果について分析している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究方向は次の通りである。 1)取引様式とイノベーションについての理論分析 Nariu and Lee(2013)では、生産者と流通業者からなるチャネル間での価格-価格競争を想定し、再販制について分析している。しかし、これらのモデルでは流通業者によるイノベーションやスピルオーバー効果を扱っていない。したがって、平成28年度以降では、イノベ-ションの効果がスピルオーバーする状況における、生産者による取引様式の選択について分析する。 2)不確実性や情報の非対称性とイノベーションについての理論分析 平成27年度の研究はチャネルの効率的な運営の観点から分析されている。一方、平成28年度以降は、チャネル間競争を視野に入れて流通におけるイノベーションについて検討する。チャネル間競争についての先行研究の多くは確実性を前提としており、投資の効果が不確実な状況や情報の非対称が顕著な場合については検討されていない。したがって、平成28年度以降は生産者と小売業者から構成されるチャネルの間で価格-数量競争が行われる状況を想定し(Saggi and Vettas (2002))、需要の非対称情報や流通業者による投資効果の不確実性が存在する場合を検討する。この場合、生産者は、チャネル間競争のもとでの競争優位の確立、小売業者にたいする投資誘因の提供、および二重マージンの回避という3つの問題に直面する。これらの3つの問題を解決するために,生産者はどのような取引様式を選択するかを分析する。
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Causes of Carryover |
招待者の旅費を使っていない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
数理モデルを構築するためにPCや数学のソフトウェアが必要となる。そして、研究期間内にパソコンおよび周辺機器の更新が必要である。研究業績を国内や海外での発表を計画している。資料についてはある程度揃えているが、若干補充する必要がある。
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Research Products
(5 results)