2018 Fiscal Year Annual Research Report
Competitiveness of the Japanese department stores along with globalizing apparel companies
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15K03751
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
藤岡 里圭 関西大学, 商学部, 教授 (00326480)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 百貨店 / アパレル / ファッション / 競争優位 / グローバル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本の百貨店の競争構造がアパレル産業のグローバル化によってどのように変化しているのかを解明することである。具体的には、百貨店がアパレル企業とともにどのように競争優位を構築してきたのか、そしてアパレル産業における高度なグローバル化の進展がどのように百貨店の競争構造に影響しているのかを考察することである。後者については、平成28年度および平成29年度にデニムおよびジーンズ産業の変遷を通して検討した結果をすでに公表している。 平成30年度は前者について、すなわち百貨店の競争優位の源泉がどこにあり、その競争力はアパレル企業とどのように構築してきたのかを考察した。既存研究では小売業態が新たに誕生した時のイノベーションや競争優位について深く研究されてきたが、競争力の変遷を分析する研究はあまり見られなかった。本研究が歴史分析を採用する理由、および本研究の独自性は、この点にある。そして、百貨店が日本に既製服を導入した時からアパレル企業に依存し、またアパレル企業が百貨店卸として販路としての百貨店を重視せざるを得ない関係、つまり共依存関係にあることを明らかにした。しかも、このような百貨店と納入業者の関係は、ボリュームゾーンのアパレル商品にとどまらず、ラグジュアリー商品へと拡大していった。つまり、百貨店の長い歴史の中で構築されてきた顧客との関係が、アパレル企業やラグジュアリーブランドにとって重要であったこと、また歴史的に構築されてきた百貨店の競争力がグローバル展開するファストファッションやラグジュアリーコングロマリットの出現によって逓減していることを導出した。
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