2016 Fiscal Year Research-status Report
価値共創コミュニティの効果的構築とオンラインコミュニティリサーチ特性に関する研究
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15K03757
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Research Institution | Tokuyama University |
Principal Investigator |
芳賀 麻誉美 徳山大学, 経済学部, 准教授 (60327963)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 価値共創 / 文化的個人特性 / MROC / 構造方程式モデリング / 参加行動 / 介入効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、企業と顧客の価値共創を支援する新しい調査手法として有望であるものの、技術先行で開発され学術知見が十分に蓄積されていない調査手法でもあるオンラインコミュニティリサーチを取り上げる。「1.企業と顧客の価値共創コミュニティの効果的な構築」と「2.オンラインコミュニティリサーチの調査特性の明確化」という2つの課題に同時にアプローチすることが目的である。具体的には、価値共創に関連すると見られる個人の文化的特性とモデレーター介入法により「参加意向」「参加後の発言回数」「発言内容」の3つの点で差異が見られるかを検証しながら、コミュニティ形成過程を追う。これにより、1.価値共創コミュニティの効果的構築と2.オンラインコミュティリサーチの調査特性への知見を得る。 本研究は、1.文献研究、2.顧客調査研究、3.オンラインコミュニティリサーチの提供企業の実態調査研究の3つを行う計画であり、2年目の2016年度は、前年度から進めていた先行研究成果のまとめと、2.顧客調査研究を行った。 先行研究のまとめは「オンラインコミュニティリサーチへの参加に対する文化的自己観と共感性の影響」というテーマで2016年11月に成果を学会発表しており、論文執筆中である。 2.顧客調査研究は、2016年12月に申請時に計画していた1)スクリーニング調査と2)定量調査を連結させたWeb調査を20歳から69歳の男女、3872名に対して実施。さらに、25歳から34歳の男女127名を選定して、3)MROCを使用したコミュニティリサーチ(介入方法2水準×介入頻度2水準の被験者間計画)を実施した。予定していた4)書き込みデータの第三者評価は、実際の新製品発売状況に照らし合わせて客観的に行うことでこれを代替し、調査費用、システム利用費用の高騰による実施不能を回避した。次年度は成果をまとめ学会発表、論文化する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
昨年度、計画の見直しを行って調査時期の変更を行ったことで、極めて効率的にデータの収集等を進めることができた。これにより、発展的な研究への展開が2つあったことが理由である。
まず、本研究で取り上げた「文化的個人特性」が、オンラインコミュニティリサーチへの参加行動や参加行動のほかに、他者の商品選好の予測や販売量予測に役立つ可能性なども示唆され、1つめの派生研究を進めることができた。この成果は2016年6月に学会発表しているが、今後、独立した新たな研究課題の1つとできる可能性が高い。 また、本研究で採取した豊富なデータは、非ガウス性を使った因果推論の応用研究の事例として利用できる可能性が高く、現在、2つ目の派生研究としてこれに取り組んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度の2017年度は、当初の研究計画通り、採取した顧客調査研究データの分析を行い、学術成果の学会発表、論文化を進める。 また、3.オンラインコミュニティリサーチの提供企業調査研究を行う予定である。
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Research Products
(3 results)