2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K03760
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉見 宏 北海道大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (90222398)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 理 大同大学, 情報学部, 講師 (30737797)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 監査 / 保証 / 国際監査基準 / 非営利組織 / 公会計 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の初年度であった平成27年度は、まず研究全体の総括的予備研究を行った。このため、吉見は地方自治体等政府部門を含む非営利組織の会計および監査が抱える問題点の洗い出しを行った。これは、国際監査基準に今後非営利部門が影響を受けていく場合に、どのような現状が問題となるのかを洗い出す目的がある。これらについては、地方自治体について平成27年度末に学会誌に論文を掲載している。 あわせて、当初の計画のように関連する資料収集を行った。これには海外におけるものを含む。吉見は5月にイギリス、7月に再びイギリスとスウェーデンを訪問し、カンファレンスにおいて関連研究者との意見交換を行うと共に、公的部門の監査および保証に関連した資料を収集している。なおオーストラリアについては、主として文献調査によって資料収集を行い、実地調査等は平成28年度に行う予定である。 またアメリカについては、主として村上が資料収集等を行った。また村上は、監査・保証についての基礎的な概念整理を行っており、特に国際監査基準との関連でわが国において問題となるであろう倫理規則についてアメリカの事例を検討し、論文としてまとめている。 本研究の目的は、国際監査基準の我が国への導入に伴って、特に非営利組織の監査報告書がいかなる変化を求められ、またその様態がどのようにあるべきかを我が国の実態に即して検討することにある。平成27年度は、その基礎とするべき資料収集及び概念整理を行い、特にイギリスを中心に実地調査を含めて具体的な検討を行った。この結果を、吉見と村上はそれぞれ研究成果として発表している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画において平成27年度に予定していた計画を予定通り進捗させている。なお、イギリスにおける検討を当初予定よりも早めに実地調査によって行えることとなったため、平成27年度には2度イギリスに調査に赴いており、この関係から科研費も一部前倒しにより使用している。この点では、やや予定よりも早めの進捗をみることができる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、当初の計画のように引き続き実地調査を行うが、「現在までの進捗状況」に記載のように、イギリスについてはすでに多くの情報を得ている段階にあるため、平成28年度は主としてオーストラリア及びアメリカについて検討を進めることになる。なお、それ以外の点については研究計画通りに進める予定である。
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Causes of Carryover |
当初平成27年度と平成28年度に分けて行う予定であったイギリスにおける実地調査を、平成27年度に集中的に行うことができたため、これにかかる経費を前倒しで使用することとしたために生じたものである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度においては、当初予定していたイギリスにおける追加的実地調査は行わない。しかしながら、その他の調査については、予定通り進捗させることとする。
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