2018 Fiscal Year Annual Research Report
Field Study of Global Performance Evaluation System on Overseas Regional Company
Project/Area Number |
15K03765
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
溝口 周二 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 名誉教授 (30200033)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 業績評価システム / 情報化システム投資 / 海外地域統括会社 / 海外子会社 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成24年度から3年間、「グローバルな事業評価システムの実証研究」について得られた結論は、(1)親会社の全社経営戦略が個別事業部に伝達されていても、個別事業部から自事業部に属する海外子会社に全社経営戦略が有効に伝達されず、特に現地駐在が長いCEOは全社経営戦略を無視する傾向がある(2)海外子会社における業績評価基準、業績評価システム及び情報システム選択等の自由度が観察されたが、他社との事業連携等のアライアンスが広範囲にわたって計画されると、これまで実施されてきた個別的な業績評価システムに代わり、統合的な事業評価システムが必要とされることが判明した。 平成27年度から4年間、「海外地域統括会社に関するグローバルな事業評価システムの実証研究」では、(1)現地調査を継続するにつれて、本社や海外子会社における組織特性が業績評価システムの適合性に大きく影響し、情報化投資やグローバルSCMの展開も産業ごと、同一企業でもカンパニーごと及び事業部ごとにそれぞれの多様性が存在する(2)事業評価システムの根幹をなす情報システム投資評価基準、投資評価方法などの統一的な方針が本社サイドでも必要とされることが再認識された。 本社-海外地域統括会社-海外子会社間のマネジメント・コントロールのメカニズム及びこれに強く影響する本社における経営戦略と事業目標が地域統括会社を通じてどのように海外子会社に周知させ、コントロールしていくかに関する情報システムについてインデプス・インタビューを実施した。結論としては複雑多様化する事業評価システムを「迅速化・知能化」、「簡素化・効率化」、「高度利便化」、「高信頼性・安全性」の4象限に分類し、それぞれの機能と投資効果、多様な海外子会社のマネジメント・コントロールに有用なメカニズムを提供するソフトウェア基盤を設計するというコンセプトが確立した。
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